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解説

【解説】地方自治③(指定管理者制度とは?わかりやすく解説)

地方自治③(指定管理者制度とは?わかりやすく解説)

指定管理者制度ってなに?指定管理者制度に関する事務を担当する職員は多くないため、地方公務員でもわからない方がいて当然だと思います。

この記事は、そんな疑問を解決するための記事です。

この記事を読めば、次のことがわかります。

  • ・指定管理者制度の概要
  • ・指定管理者制度の押さえ所
  • ・指定管理者制度を活用できない公の施設

指定管理者は、市民サービスの向上や経費の節減において重要な役目を果たすため、知っていて損はないはずです。

ぜひ、最後までご覧いただければと思います。

指定管理者とは

指定管理者とは

指定管理者制度は、地方公共団体に代わって『公の施設』を民間等団体に管理させる制度のことです。

この制度は、多様化する市民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間のノウハウを活用しながら、市民サービスの向上と経費の節減を図ることを目的に創設されました。(平成15年6月の地方自治法改正)

公の施設とは、『住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設』のことを言い、単に地方公共団体の持つ土地や施設のことではありません。

例えば、この目的に沿っていない庁舎、競馬場、留置場などは、公の施設には該当しません。

教育施設、福祉施設、体育施設、文化施設のほか、上下水道、道路、公園、河川、学校、公営住宅、墓地などが公の施設に該当します。

指定管理者制度を活用するに当たっては、押さえておきたいポイントが多数ありますので、以下のとおり記述していきます。

指定管理者の押さえておきたいポイント

指定管理者の押さえておきたいポイント

指定管理条件

指定管理に関して、法律上定められている条件は次のとおりです。

  • ・指定管理者として指名できる相手方は、『法人その他の団体であって当該普通地方公共団体が指定するもの』(個人は不可)
  • ・指定管理者の指定は、無期限で行うことができないため、必ず期限を定める必要がある
  • ・指定管理者は、毎年度終了後に事業報告書を作成し、地方公共団体に提出しなければならない
  • ・適当と認めるときは、指定管理者に利用料金を収入として収受させることができる。この利用料金は、公益上必要があると認める場合を除くほか、条例の定めるところにより、指定管理者が定めるものとする(地方公共団体の承認が必要)
  • ・首長又は委員会は、指定管理者に対して①報告徴収権②実地調査権③調査権を持つ
  • ・首長は、指定管理者が①指示権に従わないとき②その他指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、指定取消権又は業務執行停止権(一部又は全部)を持つ
  • ・首長が、公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求の対象となる

条例規定事項

公の施設や指定管理については、次の事項を条例で定める必要があります。

  • ・公の施設の設置及びその管理に関する事項
  • ・指定管理者の指定の手続
  • ・指定管理者が行う管理の基準
  • ・指定管理者が行う業務の範囲
  • ・その他必要な事項

議決事項

公の施設や指定管理については、次の事項を議会と協議する必要があります。

  • ・条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするとき(出席議員の三分の二以上の者の同意)
  • ・指定管理者の指定
  • ・審査請求の裁決を諮問
  • ・審査請求の却下を報告

指定管理者制度を活用できない公の施設

指定管理者制度を活用できない公の施設

地方自治法は、公の施設や指定管理者制度に関する規定の一般法と言えますが、特別法(個別法)の規定によって、指定管理者制度を活用できないものがあります。

  • ・学校(学校教育法:設置管理主義)
  • ・河川(河川法:管理者が限定されている。維持管理における事実行為は可)
  • ・道路(道路法:管理者が限定されている。維持管理における事実行為は可)
  • ・下水道(下水道法:管理者が限定されている。維持管理における事実行為は可)

誤って包括的な管理を指定管理者に指定してしまった場合は、法律に抵触する可能性がありますので、ご留意ください。

指定管理者制度は一石二鳥?

指定管理者制度は一石二鳥?

指定管理者制度は、市民サービスの向上と経費の節減という2つのメリットを兼ね備えています。

しかし、指定管理者が公の施設の利用者に損害を与えた場合は、地方公共団体が損害賠償責任を負う場合もあるため、適切な事業者の選定が必要です。

また、選定した後においても、事業者が適切に事務や事業を行っているかを管理監督し、不適切な対応がないように指導していく必要があります。

全て理解した上で適切な事業者を選定できるのであれば素晴らしい効果が期待できますが、中途半端に活用するのは、命取りになりかねません。

指定管理者制度を活用する場合は、正しく理解した上で、適切な事業者を選定し、必要な措置を怠ることなく続けていくことをおすすめします。

条文(地方自治法第10章抜粋)

地方自治法第10章抜粋

第十章 公の施設
(公の施設)
第二百四十四条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。
2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
(公の施設の設置、管理及び廃止)
第二百四十四条の二 普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
2 普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。
3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第二百四十四条の四において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。
4 前項の条例には、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項を定めるものとする。
5 指定管理者の指定は、期間を定めて行うものとする。
6 普通地方公共団体は、指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
7 指定管理者は、毎年度終了後、その管理する公の施設の管理の業務に関し事業報告書を作成し、当該公の施設を設置する普通地方公共団体に提出しなければならない。
8 普通地方公共団体は、適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金(次項において「利用料金」という。)を当該指定管理者の収入として収受させることができる。
9 前項の場合における利用料金は、公益上必要があると認める場合を除くほか、条例の定めるところにより、指定管理者が定めるものとする。この場合において、指定管理者は、あらかじめ当該利用料金について当該普通地方公共団体の承認を受けなければならない。
10 普通地方公共団体の長又は委員会は、指定管理者の管理する公の施設の管理の適正を期するため、指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。
11 普通地方公共団体は、指定管理者が前項の指示に従わないときその他当該指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて管理の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
(公の施設の区域外設置及び他の団体の公の施設の利用)
第二百四十四条の三 普通地方公共団体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共団体との協議により、公の施設を設けることができる。
2 普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体との協議により、当該他の普通地方公共団体の公の施設を自己の住民の利用に供させることができる。
3 前二項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
(公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求)
第二百四十四条の四 普通地方公共団体の長以外の機関(指定管理者を含む。)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
2 普通地方公共団体の長は、公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求がされた場合には、当該審査請求が不適法であり、却下するときを除き、議会に諮問した上、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
3 議会は、前項の規定による諮問を受けた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
4 普通地方公共団体の長は、第二項の規定による諮問をしないで同項の審査請求を却下したときは、その旨を議会に報告しなければならない。

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