解説

【解説】地方公務員の扶養手当をわかりやすく解説(要件・金額・届出)

【解説】地方公務員の扶養手当をわかりやすく解説(要件・金額・届出)

こんにちは、地方公務員のリムクロです。

本日は、地方公務員の扶養手当についてわかりやすく解説していきます。

扶養手当は、配偶者や子については、扶養手当の対象となるイメージを持っていると思いますが、例えば父母や弟妹等も対象となる場合があります。

また、配偶者や子であっても、所得制限等の理由により扶養手当が支給されない場合があり、給与担当者でなければ正確に理解している人は少ない手当です。

しかし、知らなければをしたり、本来支給されない手当を不当利得してしまう可能性がありますので、知っておいた方が良い知識と言えます。

この記事を読めば、おおよその理解を得られるように書いていきますので、ぜひ最後まで御覧ください。

地方公務員の扶養手当に関する動画を作成しましたので、併せてご覧ください。

【解説】地方公務員の扶養手当(知らずに損してない?)

扶養手当とは?

扶養手当とは?

扶養手当は、地方公務員に支給される手当の1つで、扶養親族のある職員に対して支給されるものであり、扶養親族との続柄や、扶養親族の年齢等によって支給額が決定されます。

単に扶養親族を有すれば手当が支給されるわけではなく、任命権者に対して届出をし、認定を受けることで翌月から支給されるため、必ず届出をしてください。また、支給要件を欠いた場合も、届出が必要な点に留意が必要です。

なお、ここで言う扶養親族に該当するためには、いくつかの要件を満たす必要がありますので、次項で解説していきます。

扶養手当の支給要件(所得・同居・続柄等)

扶養手当の支給要件(所得・同居・続柄等)

扶養手当の支給について、扶養親族に該当するには、次の2つの要件を満たす必要があります。

  • ①他に生計の途がなく主としてその職員の扶養を受けている
  • ②あらかじめ規定された続柄・年齢等に当たる

他に生計の途がなく主としてその職員の扶養を受けている

これは、非常に分かりづらい日本語ですが、3つことが書かれています。この3つ全てを満たさなければなりません。

  • ①生計を立てられる収入がない
  • ②他の人の扶養になっていない
  • ③職員が扶養している

『生計を立てられる収入がない』に該当するためには、給与所得、事業所得、資産所得等の合計額が130万円未満である必要があります。(所得税法上の『所得』と同義ではなく、損失的な経費のみ認められるため、『収入』に近い。)

『他の人の扶養になっていない』に該当するためには、当該扶養親族について他の職員が扶養手当を支給されていないだけではなく、他の自治体や民間企業において同様の手当が支給されていないことが条件です。

また、必ずしも同居している必要はなく、別居している場合は、送金額等で判断することとなります。(送金先の世帯収入の3分の1以上の送金を要する。)

あらかじめ規定された続柄・年齢等に当たる

扶養手当における扶養親族は、あらかじめ規定された続柄や年齢等に該当する必要があります。

  • ①配偶者(内縁含む)
  • ②子(満22歳到達後最初の3月31日まで)
  • ③孫(満22歳到達後最初の3月31日まで)
  • ④父母・祖父母(満60歳以上)
  • ⑤弟妹(満22歳到達後最初の3月31日まで)
  • ⑥重度心身障害者

配偶者以外の扶養親族である②〜⑤は、血族のみ該当します。

また、重度心身障害者は、続柄や年齢は関係なく、主として職員の扶養を受けていれば該当します。

なお、重度心身障害者とは、終身労務に服することが出来ない程度のことを言い、医師の判断を要します。

扶養手当の認定例(具体例)

扶養手当の認定例(具体例)

ここまでで、支給要件については理解できたかと思いますが、支給要件に該当しているかどうかの見極めが難しいケースもあると思いますので、いくつか例を挙げていきます。

扶養手当と児童扶養手当

Q:児童扶養手当の支給を受けている子について、扶養手当の支給を受けることができるのか

A:扶養手当は、扶養親族を有することによって増加する、生活費を補助するための手当のためであり、児童手当法で規定する児童扶養手当とは目的が異なるため、併給可能です。

複数人で扶養している親族

Q:複数人で扶養している親族について、扶養手当の支給を受けることができるのか

A:職員が主たる扶養者であれば可能です。

父に収入がある場合の母

Q:父に収入がある場合の母について、扶養手当の支給を受けることができるのか

A:職員が主たる扶養者であれば可能です。

配偶者の連れ子

Q:配偶者の連れ子について、扶養手当の支給を受けることができるのか

A:養子縁組すれば可能です。

失業手当を受給中

Q:失業手当を受給中の親族について、扶養手当の支給を受けることができるのか

A:月額108,333円以下、日額3,561円以下なら可能です。なお、これらを超える場合であっても、待機期間がある場合の待機期間中は扶養手当が支給される。また、育児休業・介護休業関連給付も同様です。

扶養手当の支給額(配偶者・子・父母・兄弟姉妹等)

扶養手当の支給額(配偶者・子・父母・兄弟姉妹等)

扶養手当の支給額は、次のとおりです。

  • ①子:10,000円(満15歳〜15,000円)
  • ②子以外:6,500円

ただし、子以外についての扶養手当は、行政職給料表8級相当の場合は3,500円、同9級以上相当の場合は支給しないこととされている。

なお、以前は配偶者の扶養手当を手厚くしていましたが、民間企業とのバランスや、少子化問題の深刻さを考慮し、再配分されました。

扶養手当に係る届出と支給の始期・終期

扶養手当に係る届出と支給の始期・終期

扶養手当の支給を受けるためには、任命権者に対して速やかに届出を行う必要があります。

具体的には、事実が発生した翌日から起算して15日経過した後に届出がなされた場合は、受理した月の翌月から支給が開始となります。(例:4月1日出生→4月20日届出→5月分から支給開始)

また、遅延することなく届出がなされた場合は、次のような取り扱いとなります。

  • ①月の初日に要件具備:その月から支給開始(例:4月1日出生→4月分から支給開始)
  • ②月の初日以外に要件具備:翌月から支給開始(例:4月2日出生→5月分から支給開始)

一方、要件を満たさなくなった場合は、遡って支給が停止するため、届出が遅れた場合は戻入の対象となります。

また、月の初日において要件を満たしていれば手当の支給対象となるため、月の途中で要件を欠いても戻入の必要はありません。

  • ①月の初日に要件を欠く:その月は支給されない(例:4月1日就職→4月分は支給不可)
  • ②月の初日以外に要件を欠く:その月は支給される(例:4月2日就職→4月分は支給可能)

なお、月の初日以外に休職となった場合は、日割計算によって支給されることとなります。

扶養手当の事後調査による不正監視

扶養手当の事後調査による不正監視

扶養手当は、支給の開始時に扶養する親族等の収入や続柄等を、客観的な証拠書類に基づいて確認することとされていますが、事後においても、要件の具備や支給額が適正かなどを調査することがあります。

これにより、届出を行わずに不正に扶養手当の支給を受けていたとして、懲戒処分されるケースが、全国的に多くなってきています。

悪質な場合は、懲戒免職となる場合もあるため、軽はずみで不正を行うようなことはせず、事実に基づいて速やかに届出を行うようにしましょう。

知らなかったでは済まされませんので、くれぐれも留意してください。

正しい知識で手当を受けよう

正しい知識で手当を受けよう

ここまで扶養手当の解説をしてきましたが、おおよそ理解できましたでしょうか。

正しい知識を持つことにより、損をしたり、不当利得してしまうことを防ぐことができます。

地方公務員の給料では、自分の生計を立てるだけでも簡単ではない中で、親族を扶養することは大変立派なことです。

そんなあなたを少しでも補助する目的の手当ですので、万が一、届出をしていない場合は、すぐにでも行いましょう。

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