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解説

地方公務員法解説⑨(第三章 職員に適用される基準・第六節 服務)

地方公務員法解説は、次のページでさらにわかりやすく再作成しました。

【初心者向け】地方公務員法をわかりやすく解説

〇 第三章 職員に適用される基準 第六節 服務

第三十条(服務の根本基準)

【条文】

第三十条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

【単語】

服務⇒公務員であるために守らなければいけないルールのこと

【解説】

第三十条は服務の根本基準について定められています。

「全力を挙げてこれに専念しなければならない」これを、職務専念義務と言い、詳細は第三十五条で定められています。

第三十一条(服務の宣誓)

【条文】

第三十一条 職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。

【解説】

条例によって定められた服務の宣誓をしなければ職務を行うことができません。

服務の宣誓書(予め宣誓文言が書かれた用紙)に署名捺印するのが基本です。

服務の宣誓は次のような文言で行われます。

私は、ここに、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、且つ、擁護することを固く誓います。
私は、地方自治の本旨を体するとともに公務を民主的且つ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として、誠実且つ公正に職務を執行することを固く誓います

第三十二条(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)

【条文】

第三十二条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

【解説】

第三十二条は法令等及び上司の職務上の命令に従う義務について定められています。

地方公務員は地方公務員法によって、法令等に従う義務が生じているので、「知りませんでした」は通らないということです。

法律、条令、規則は社会情勢によって日々変わり続けていますので、常に学習し続ける必要があります。

第三十三条(信用失墜行為の禁止)

【条文】

第三十三条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

【解説】

第三十三条は信用失墜行為の禁止について定められています。

公務員は特に違法、不当なことはしてはいけないということです。

第三十四条(秘密を守る義務)

【条文】

第三十四条 職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。

2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。

3 前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。

【解説】

第三十四条は秘密を守る義務について定められています。いわゆる守秘義務です。

退職後も守秘義務が消えることはありませんので、留意する必要があります。

第三十五条(職務に専念する義務)

【条文】

第三十五条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

【解説】

第三十五条は職務に専念する義務について定められています。

法律又は条令に特別の定がある場合は免除され、これを職務専念義務の免除(職免・職専免)と言います。

具体例としては、①研修を受ける場合、②厚生に関する計画の実施に参加する場合、③地震,火災,水害その他重大な災害に際し応急救助に従事する場合等があります。

それから、休日や休暇によっても職務専念義務は免除されます。

第三十六条(政治的行為の制限)

【条文】

第三十六条 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。

2 職員は、特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない。ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域(当該職員が都道府県の支庁若しくは地方事務所又は地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市の区若しくは総合区に勤務する者であるときは、当該支庁若しくは地方事務所又は区若しくは総合区の所管区域)外において、第一号から第三号まで及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる。

一 公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること。

二 署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。

三 寄附金その他の金品の募集に関与すること。

四 文書又は図画を地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎(特定地方独立行政法人にあつては、事務所。以下この号において同じ。)、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること。

五 前各号に定めるものを除く外、条例で定める政治的行為

3 何人も前二項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め、職員をそそのかし、若しくはあおつてはならず、又は職員が前二項に規定する政治的行為をなし、若しくはなさないことに対する代償若しくは報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益若しくは不利益を与え、与えようと企て、若しくは約束してはならない。

4 職員は、前項に規定する違法な行為に応じなかつたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。

5 本条の規定は、職員の政治的中立性を保障することにより、地方公共団体の行政及び特定地方独立行政法人の業務の公正な運営を確保するとともに職員の利益を保護することを目的とするものであるという趣旨において解釈され、及び運用されなければならない。

【解説】

第三十六条は政治的行為の制限について定められています。

第一項において、政党・政治団体の①結成への関与、②役員となること、③構成員となるよう勧誘運動、④構成員とならないよう勧誘運動してはいけない旨が定められています。

第二項において、政治的目的をもった政治的行為を制限しています。

第三項において、職員に対する政治的行為を助長するような行為を禁止しています。

第四項において、政治的行為を行わないことによる不利益を排除しています。

第五項において、職員の政治的中立性を保証し、公共団体の公正な運営の確保、職員の利益保護を目的とする趣旨で解釈・運用しなくてはいけないと定められています。

第三十七条(争議行為等の禁止)

【条文】

第三十七条 職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。

2 職員で前項の規定に違反する行為をしたものは、その行為の開始とともに、地方公共団体に対し、法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に基いて保有する任命上又は雇用上の権利をもつて対抗することができなくなるものとする。

【解説】

第三十七条は争議行為等の禁止について定められています。

ストライキやサボタージュ等を禁止しているものですが、これらを行った結果、第二項に定められているように雇用上の権利をもって対抗することができなります。

第三十八条(営利企業への従事等の制限)

【条文】

第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。

【解説】

第三十八条は営利企業への従事等の制限について定められています。

①営利企業等の役員となること、②自ら営利企業を営むこと、③報酬を得て従事することを制限していますが、任命権者の許可を得た場合は可能です。

この営利企業等従事制限については、勤務時間中のみならず、勤務の割り振られていない時間にアルバイトをすることも認められていません。

「営利企業」「報酬」がキーとなりますので、寺院の住職を兼ねて布施を得ても、第三十八条に抵触しないと解釈されています。

また、営利を目的としている場合、農業は営利企業に含まれます。

不動産収入についても、営利目的と判断される可能性がありますので、御留意ください。

 

 

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