【解説】懲戒処分をわかりやすく解説(戒告・減給・停職・免職)

【解説】懲戒処分をわかりやすく解説(戒告・減給・停職・免職)

地方公務員は、民間企業に務める場合と比較し、安定性が魅力の1つです。原則、採用されれば、定年退職まで務めることができます。

では、何があっても定年退職まで務めることができるのか?と言いますと、もちろんそうではありません。

地方公務員も非違行為があった場合には処分され、最悪の場合『免職(クビ)』になってしまいます。

これらの処分は、懲戒処分と呼び、地方公務員である以上は必要な知識のため、解説していきます。

懲戒処分は4種類(戒告・減給・停職・免職)

地方公務員の懲戒処分は、次の4種類あります。

懲戒処分4種類
  • 戒告:義務違反の責任を確認し、その将来を改める処分
  • 減給:一定期間、給与の給与の一定割合を減額して支給する処分
  • 停職:一定期間、職務に従事させない処分
  • 免職:職員の意に反して職を失わせる処分

戒告は、戒告そのものに給与や職に関する効果はありませんが、昇給の抑制や勤勉手当の支給割合の減少が発生するほか、人事記録に記載されてしまいます。これらは、減給・停職においても同様です。

減給は、各地方公共団体の条例において期間と減額率を定めることとなりますが、国家公務員が『減給は、1年以下の期間、俸給の月額の5分の1以下に相当する額を、給与から減ずるものとする。』と規定されているため、原則これに倣った形で規定されていると想定されます。

停職は、各地方公共団体の条例において最低期間と最大期間を定めることとなりますが、国家公務員が『停職の期間は、1日以上1年以下とする。』と規定されているため、原則これに倣った形で規定されていると想定されます。

免職は、単に職を失うだけでなく、本来支給されるはずの退職手当が支給されません。このため、懲戒免職処分が執行される前に自ら退職(依願退職)するケースが多いです。

懲戒処分に関する事由(3種類)と基準

地方公務員が、懲戒処分を受ける根拠は、地方公務員法第29条に規定されており、懲戒事由は、次の3種類あります。

懲戒事由3種類
  • 地方公務員法や教育公務員特例法、これらに基づく条例・規則・規程に違反した場合
  • 職務上の義務違反や職務を怠った場合
  • 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合

これら3種類の事由のいずれかに該当する場合に懲戒処分を行うことができますが、懲戒の手続き並びに効果については、法律に特別の定がある場合を除き、条例で定めなければなりません。

また、懲戒処分が平等に行われるために、標準的な処分基準を定めているのが一般的です。

懲戒処分の公表

綱紀粛正や不祥事の再発防止の観点から、懲戒処分が行われた事案について、記者会見やHP掲載等により公表する場合があります。

公表内容は、事案概要、所属名、職名、年齢、性別、処分内容、処分年月日等であり、事案の重大さや性質、職員の職位等によって異なります。

公表についても、基準を定めているのが一般的です。

懲戒免職による欠格事項(欠格事由)

懲戒免職の処分を受けた場合、処分の日から2年間経過しないと同じ地方公共団体へ採用されたり、受験したりすることができません。

また、地方公務員の行政職員は、17年間(高卒未満は20年間)勤続すれば行政書士になる資格が与えられますが、懲戒免職の処分の日から3年間経過しないと行政書士となることができません。

【メリット】地方公務員は試験を受けずに行政書士になれる

条文(地方公務員法第29条及び第29条の2)

(懲戒)
第二十九条 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
一 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
2 職員が、任命権者の要請に応じ当該地方公共団体の特別職に属する地方公務員、他の地方公共団体若しくは特定地方独立行政法人の地方公務員、国家公務員又は地方公社(地方住宅供給公社、地方道路公社及び土地開発公社をいう。)その他その業務が地方公共団体若しくは国の事務若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち条例で定めるものに使用される者(以下この項において「特別職地方公務員等」という。)となるため退職し、引き続き特別職地方公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合(一の特別職地方公務員等として在職した後、引き続き一以上の特別職地方公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合を含む。)において、当該退職までの引き続く職員としての在職期間(当該退職前に同様の退職(以下この項において「先の退職」という。)、特別職地方公務員等としての在職及び職員としての採用がある場合には、当該先の退職までの引き続く職員としての在職期間を含む。次項において「要請に応じた退職前の在職期間」という。)中に前項各号のいずれかに該当したときは、これに対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。
3 職員が、第二十八条の四第一項又は第二十八条の五第一項の規定により採用された場合において、定年退職者等となつた日までの引き続く職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)又はこれらの規定によりかつて採用されて職員として在職していた期間中に第一項各号の一に該当したときは、これに対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。
4 職員の懲戒の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。
(適用除外)
第二十九条の二 次に掲げる職員及びこれに対する処分については、第二十七条第二項、第二十八条第一項から第三項まで、第四十九条第一項及び第二項並びに行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定を適用しない。
一 条件附採用期間中の職員
二 臨時的に任用された職員
2 前項各号に掲げる職員の分限については、条例で必要な事項を定めることができる。

懲戒処分は地方公務員としての自覚の無さの結果

懲戒処分は、全国で1年間に5000件前後報告されています。非常に多い件数ですよね。

懲戒処分は、故意に違法行為を行った場合だけでなく、過失による非違行為を含まれます。

非違行為は、地方公務員としての自覚を強く持ち、常に勉強と研究を繰り返していれば理論上起こりません。

例えば、プライベートであっても、飲酒や自動車運転の際は、十分に気をつけましょう。

また、部下の非違行為によって上司が監督責任を問われるケースも少なくありませんので、組織として人材育成の重要性も考えなくてはなりません。

懲戒処分によって、明るい未来が閉ざされることのないよう、自覚を持った生活を送りましょう。

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