【解説】地方公務員の給与・年収(給与=給料+手当)

市町村の合併の特例に関する法律施行令(全文)

皆さんは、地方公務員に対して給料がいくら支払われているのかを御存知でしょうか?『中小企業より少し多いくらい?』といった漠然としたイメージを持った方は多いと思いますが、詳細を知る方は少ないように思えます。

職業選択をする上で、『給料がいくら貰えるのか』は重要なファクターです。イメージしていた給料と実際に支給される給料にギャップがある場合には、次のような残念な構図が出来上がります。

  • イメージより安い:やる気ダウン、離職率アップ
  • イメージより高い:優秀な人材が集まらない

地方公務員は、人の役に立てるやりがいのある職業ですが、職業であるからには、給料が重要なのは当然のことです。

イメージしていたよりも給料が安い場合は、やる気を大きく損ない、離職する可能性を高めます。また、給料が安いとイメージされている場合は、本来採用できるはずの優秀な人材が集まりません。

このような給料ギャップは、就職をされる方はもちろん、自治体にとっても大きな損失を生んでしまいます。

そのためこの記事では、地方公務員に対する興味を持った方に、正しい給料の知識を持っていただくことによって、不幸なミスマッチを無くすことを目的に作成しています。

わかりやすく解説しますので、どうぞ最後まで御覧ください。

地方公務員の給与の仕組み

地方公務員の給与は、地方公務員法第24条第5項の規定に基づき条例で定めることとされています。条例は議会において決定する議決事項であり、首長の単独で定めることはできませんので、適正な仕組みを規定することができます。

議員が得票数を稼ぐために、公務員の給与を下げちゃうんじゃないの?

こんな疑問が浮かんだかもしれませんが、安心してください。地方公務員の給与は、国家公務員の給与に準拠する形で設定されています。

国家公務員の給与は、民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本として(民間準拠)、同じ条件(役職段階、勤務地域、学歴、年齢階層)にある者同士の官民の給与を比較した上民間企業の一般的な収入を元に算出されています。

簡単に言うと、『同程度の民間企業で働いた場合と同じだけの給与が支給されるようにするよ!』ということです。ただし、日本は中小企業に勤める方が全体の約70%を占めるため、公務員は平均収入よりもやや高水準の給与が支給されています。

地方公務員法第24条

(給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準)

第二十四条 職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。

 職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。

3 職員は、他の職員の職を兼ねる場合においても、これに対して給与を受けてはならない。

 職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。

給与=給料+手当

給与は、給料と手当から構成されています。手当の詳細は後半で解説。

  • 給料:あらかじめ定められた勤務時間内の労働に対する報酬。給料は給料表に基づいて支給され、昇給や昇格を経て給料額が上昇。
  • 手当:職務、生活、人材確保等に必要な26種類の報酬。自治体によって、支給している手当はバラバラ。
地方自治法第204条

普通地方公共団体は、普通地方公共団体の長及びその補助機関たる常勤の職員、委員会の常勤の委員(教育委員会にあつては、教育長)、常勤の監査委員、議会の事務局長又は書記長、書記その他の常勤の職員、委員会の事務局長若しくは書記長、委員の事務局長又は委員会若しくは委員の事務を補助する書記その他の常勤の職員その他普通地方公共団体の常勤の職員並びに短時間勤務職員及び地方公務員法第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員に対し、給料及び旅費を支給しなければならない。

2 普通地方公共団体は、条例で、前項の者に対し、扶養手当、地域手当、住居手当、初任給調整手当、通勤手当、単身赴任手当、特殊勤務手当、特地勤務手当(これに準ずる手当を含む。)、へき地手当(これに準ずる手当を含む。)、時間外勤務手当、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当、管理職手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当、特定任期付職員業績手当、任期付研究員業績手当、義務教育等教員特別手当、定時制通信教育手当、産業教育手当、農林漁業普及指導手当、災害派遣手当(武力攻撃災害等派遣手当及び新型インフルエンザ等緊急事態派遣手当を含む。)又は退職手当を支給することができる。

3 給料、手当及び旅費の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。

根拠法令:地方自治法第204条

外部リンク:地方公務員の給与の体系と給与決定の仕組み(総務省)

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地方公務員の給料表

地方公務員の給料は、条例に規定する給料表における「級」と「号俸」の組合せで決定し、支給されます。級は1~8級(9,10級)、号俸は1~125程度で定められており、1級10号俸や3級55号俸などと表現します。

給料表は次のように職種ごとに設けられており、全ての給料表の全ての級号俸に、対応する給料額が定められており、それが職員に1月に支払われる給料額となります。

  • 行政職給料表(事務・税務・建築・土木・福祉 他)
  • 医療職給料表⑴(医師・歯科医師・獣医)
  • 医療職給料表⑵(薬剤師・栄養士・臨床検査技師 他)
  • 医療職給料表⑶(保健師・助産師・看護師 他)
  • 消防職給料表(消防士)
  • 警察職給料表(警察官)
  • 教育職給料表(教員)

例示:地方公務員の給料表(例示)

地方公務員の初任給決定(5区分)

一番最初に支給される給料が初任給です。初任給は、次の5つの区分で級号俸を算出し、その中から職員にとって1番有利なものが適用されます。

  • 学歴
  • 資格
  • 年齢
  • 経験
  • 修学

この5つの区分について、詳しく解説していきます。

※地方公務員の給与は、3月で1号俸、1年(12月)で4号俸で計算するのが一般的。

学歴

最終学歴の区分によって、初任給の級号俸が異なります。下位の学歴区分で採用されるよりも、上位の学歴区分で採用された方が、初任給が高く設定されています。

例えば行政職であれば次のようになります。

  • 高校卒業者 1級15号俸
  • 短大卒業者 2級4号俸
  • 大学卒業者 2級15号俸

短大(2年制)と大学(4年制)を比較すると、11号俸の差があります。基本的に職員は1年間に4号俸昇給しますので、短大卒入職2年後の職員は、2級12号俸が支給されます。

つまり、大学卒の方が短大卒よりも、同じ年齢で支給される給料が、3号俸分高いということです。この差は、通常昇給では一生埋まることがありません。

資格区分

採用される際に有している資格区分によって、級号俸が異なります。また、採用された後に上位の資格を習得した場合は、給料が上方修正される可能性があります。

例えば医療職⑶であれば次のようになります。

  • 准看護師 1級15号俸(199,400円)
  • 看護師 2級11号俸(223,000円)
  • 保健師と助産師 2級17号俸(230,700円)

民間企業では、資格手当は当然に存在しており、人材確保の観点から重要な要素となります。地方公務員においても、上位の資格を有している方が、給料が高くなることが多いです。

年齢区分

採用された年齢によって、最低保証される級号俸が異なります。これは、学歴や職歴に関係なく適用されます。

例えば次のとおりです。

  • 18歳 1級1号俸
  • 19歳 1級5号俸
     (略)
  • 25歳 1級29号俸
     (略)
  • 35歳 2級17号俸
     (略)
  • 40歳 2級33号俸

年齢による最低保証給料額の上昇は、学歴や職歴と比較すると小さいです。地方公務員を目指すのであれば、給料面だけを見ると、年齢が低いうちの方が有利な設計です。

経験年数(加算)

初任給を決定する際には、様々な経験年数が加味されることとなります。

例えば、次のとおりです。

  • 同職種の公務員 換算率100分の100以内
  • 別職種の公務員 換算率100分の80以内
  • 同職種の民間員 換算率100分の100以内
  • 別職種の民間員 換算率100分の80以内
  • 修学期間 換算率100分の100以内
  • 無職期間 換算率100分の30以内

前職が全く違うジャンルの場合は、換算率が低く、同ジャンルの場合は100%換算される可能性があります。前職での経験が採用職種での業務に活用されるのかを判断し、初任給に加算されることとなります。

修学年数(加算・減算)

初任給を決定する際には、修学年数が加味されることとなります。

例えば、大学卒区分に採用された場合は次のとおりです。

  • 博士課程修了 +5年(+20号俸)
  • 修士課程修了 +2年(+8号俸)
  • 専門職学位課程修了 +2年(+8号俸)
  • 大学6卒 +2年(+8号俸)
  • 大学専攻科卒 +1年(+4号俸)
  • 短大3卒 -1年(-4号俸)
  • 短大2卒 -2年(-8号俸)
  • 短大1卒 -3年(-12号俸)
  • 高校専攻科卒 -3年(-12号俸)
  • 高校3卒 -4年(-16号俸)
  • 高校2卒 -5年(-20号俸)
  • 中学卒 -7年(-28号俸)

修学期間によって給料にデメリットを与えないことが目的のため、例えば博士課程修了であっても+30号俸、+40号俸ということはありません。

なお、学歴区分と修学加算の差は、自治体が求めている(あらかじめ定めている)かどうかが判断基準となります。

先ほど同様に、行政職を例にとってわかりやすく説明します。

  • 高校卒業者 1級15号俸
  • 短大卒業者 2級4号俸
  • 大学卒業者 2級15号俸

学歴区分は、高卒、短大卒、大学卒の3つしかありません。博士課程修了の方が採用された場合は、大学卒業者として採用されます。しかし、それでは非常に不利な給料となり、優秀な人材は集まりません。

これを回避するために、修学加算(+20号俸)が行われるわけです。博士課程修了の方にとっては、これでも安すぎるくらいでしょうが、地方公務員になるという選択肢は残るのかなと思います。

初任給の決定(例)

初任給の算定に当たっては、採用された者の職種、学歴、資格、経験年数、修学年数から最も有利なものを導き出します。

【例】看護師Aさん(36歳)
  • 平成15年3月 短大2年卒業
  • 平成15年3月 准看護師免許取得
  • 平成15年4月 公立病院勤務(准看護師)
  • 平成19年3月 退職
  • 平成21年4月 看護大学4年入学
  • 平成25年3月 看護大学4年卒業
  • 平成25年3月 看護師免許取得
  • 平成25年4月 民間病院勤務(看護師)
  • 令和2年3月 退職
  • 令和2年4月 大卒看護師として採用

これを、各種区分に応じて計算していきます。Aさんの場合は、短大卒と准看護師免許の取得、大学卒と看護師免許の取得が同じタイミングのため、2つの学歴資格区分と、年齢区分を比較することとなります。

※結果はわかりやすく1級で比較表現します。

比較パターン
  • 短大2卒准看護師:1級15号俸+16号俸(公立准看護師4年)+2号俸(無職期間2年)+16号俸(大学修学期間)+28号俸(民間病院7年)=1級77号俸
  • 大学4卒看護師:1級35号俸+28号俸(民間病院7年)=1級63号俸
  • 36歳:(最低保証)1級23号俸

『短大2卒准看護師>大学4卒看護師>年齢36歳』により、看護師Aさんの初任給は、1級77号俸で決定されます。

※地方公務員の初任給決定は、各自治体の規則等で定められており、自治体によって差がありますので、参考としてください。

地方公務員の昇給(3区分)

地方公務員の初任給は決して高くありませんが、安定した昇給があり、将来受け取ることができる給与が想定できます。

地方公務員の昇給は大きく分けて3つの区分で構成されています。

  • 通常昇給
  • 特別昇給
  • 昇格に伴う昇給

この3つの区分について、わかりやすく解説していきます。

通常昇給

通常昇給は、規則等に定めるところにより、1年に1度行われます。昇給日は、1月1日又は4月1日としている自治体が多いです。

昇給は、1年間で4号俸ずつ上昇していきますが、勤務成績が優秀又は極めて優秀であれば6号俸又は8号俸、不良であれば0号俸又は2号俸となってしまいます。

1号俸の当たりの給料額の上昇値は、1,000~2,000円程度ですが、級号俸の数が大きくなれば上昇値は小さくなります。

このため、若手職員や昇格して間もない職員は、毎年5,000~10,000円程度給料額が上昇しますが、退職間際の職員等は、400円~1,200円程度の上昇となります。

特別昇給

特別昇給は、研修や業務の成績が著しく優秀である職員に対し、昇給させる制度です。自治体にとって大きな成果を上げた職員や、一定の勤続年数に達した職員が対象となります。

また、廃職又は過員解消等により整理退職となる場合や殉職した場合にも、同様の昇給が認められています。

これらの制度は、各自治体によって大きく異なりますので、規則等をご確認ください。

また、昇給する号俸は、2~8号俸程度です。

昇格による昇給

給料表の「級」は職務(職責)によって定められており、上位の級に移行することを昇格と言います。

級には、それぞれ標準職務内容(職責)が定められており、例えば次のとおりです。

  • 1級:基本業務係員(主事)
  • 2級:応用業務係員(主事)
  • 3級:高度業務係員(主任)又は軽度係長
  • 4級:統括業務係員(主任)又は係長
  • 5級:高度係長又は課長
  • 6級:高度課長又は次長
  • 7級:高度次長又は部長
  • 8級:高度部長

どの級に値するかについては、基本的には『職位』と『在級年数』で決定されます。職位は、『係員→係長→課長→自重→部長』という階級のことで、在級年数とは、その級になってから何年経過しているかというものです。

1級から2級に昇格する場合は、係員から係員の級に移行するため、在級年数の経過のみで昇格します。しかし、係員の級は4級までしか存在しないため、5級になるためには、係長以上に昇任する必要があります。

反対に、係長の級は3級以上しか存在しないため、1級の職員が係長に昇任した場合は、自動的に3級に昇格します。

極端な例ですが、採用されてから毎年昇任した場合は、次のようになります。

  • 令和2年4月1日係員採用 行政職給料表1級10号俸
  • 令和3年4月1日係長昇任 行政職給料表3級1号俸
  • 令和4年4月1日課長昇任 行政職給料表5級1号俸
  • 令和5年4月1日次長昇任 行政職給料表6級1号俸
  • 令和6年4月1日部長昇任 行政職給料表7級1号俸

このように、違法公務員も出世が早ければ早いほど高収入になるような制度設計がなされていますので、出世を目指す上での励みにしていただければと思います。

例示:地方公務員の給料表(例示)

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地方公務員の諸手当

地方公務員の諸手当は、全部で26種類ありますが、どの手当を支給するかは各自治体の裁量によります。これらは全て、地方自治法第204条に定められており、この26種類以外の手当を支給することはできません。

総務省では、この26種類の手当をさらに4類型に区分しています。ここでもそれにならった形で4類型で解説していきます。

職務関連手当
  • 地域手当
  • 特殊勤務手当
  • 時間外勤務手当
  • 宿日直手当
  • 管理職員特別勤務手当
  • 夜間勤務手当
  • 休日勤務手当
  • 管理職手当
  • 期末手当
  • 勤勉手当
  • 義務教育等教員特別手当
  • 定時制通信教育手当
  • 産業教育手当
  • 農林漁業普及指導手当
  • 災害派遣手当
生活関連手当
  • 扶養手当
  • 住居手当
  • 単身赴任手当
  • 寒冷地手当
人材確保手当
  • 地域手当
  • 初任給調整手当
  • 特地勤務手当
  • へき地手当
その他
  • 通勤手当
  • 特定任期付職員業績手当
  • 任期付研究員業績手当
  • 退職手当

職務関連手当

地域手当

地域手当には、職務関連手当としての意味合いと、人材確保手当としての意味合いがありますが、ここでは前者についてのみを解説します。

地域手当は、当該地域における民間の賃金水準を基礎として、当該地域における物価等を考慮して支給される手当です。

給料のみで十分な水準に達している場合は支給されません。支給される場合の金額は、給料+扶養手当の20%を上限として条例で定めます。

例えば北海道職員は次のとおりです。

  • 東京都特別区:20%
  • 大阪府大阪市:16%
  • 愛知県名古屋市:15%
  • 北海道札幌市:3%
  • その他:支給なし

特殊勤務手当

特殊勤務手当は、著しく危険、不快、不健康又は困難な勤務その他の著しく特殊な勤務で、給与上特別の考慮を必要とするが、その特殊性を給料で考慮することが適当でないと認められるものに対して支給される手当です。

また、特殊勤務手当は各自治体により独自に定められていますが、定めるに当たっては、国に準拠するべきとされています。

国が定める特殊勤務手当は、次の27項目です。

  • 高所作業手当
  • 坑内作業手当
  • 爆発物取扱等作業手当
  • 水上等作業手当
  • 航空手当
  • 死刑執行手当
  • 死体処理手当
  • 防疫等作業手当
  • 有害物取扱手当
  • 放射線取扱手当
  • 異常圧力内作業手当
  • 狭あい箇所内等検査作業手当
  • 道路上作業手当
  • 災害応急作業等手当
  • 山上等作業手当
  • 移動通信等作業手当
  • 航空管制手当
  • 夜間特殊業務手当
  • 夜間看護等手当
  • 用地交渉等手当
  • 鑑識作業手当
  • 刑務作業監督等手当
  • 護衛等手当
  • 犯則取締等手当
  • 極地観測等手当
  • 国際緊急援助等手当
  • 小笠原業務手当

各特殊勤務手当の支給は、1時間、1日又は1回ごとに数百円から数千円が支給されます。給料表は数種類しかないにもかかわらず、職種によって給与が異なるのは、特殊勤務手当が支給されているためです。

時間外勤務手当(超過勤務手当)

時間外勤務手当は、正規に割り振られた勤務時間以外に勤務した場合に支給される手当です。

勤務1時間当たりの給与額×支給割合×勤務時間数

支給割合は、次の区分に応じて決定されます。

  • 勤務日5時~22時:125%
  • 勤務日22~翌5時:150%
  • 週休日5時~22時:135%
  • 週休日22~翌5時:160%
  • 5時~22時(月60時間超):150%
  • 22~翌5時(月60時間超):175%

宿日直手当

宿日直手当は、宿日直勤務を行った職員に支給される手当です。

勤務の態様に応じて、勤務1回につき4,400円~21,000円の範囲で支給されます。

管理職員特別勤務手当

管理職員特別勤務手当は、管理又は監督の地位にある職員が、臨時又は緊急の必要等によりやむを得ず週休日等又は平日深夜(午前0時から午前5時までの間)に勤務した場合に支給される手当です。

1回につき、数千円から1万数千円が支給されます。

夜間勤務手当

夜間勤務手当は、正規の勤務時間として深夜に勤務した職員に支給される手当です。

勤務1時間当たりの給与額×25%×勤務時間数

休日勤務手当

休日勤務手当は、祝日法による休日等に勤務した職員に支給される手当です。

勤務1時間当たりの給与額×135%×勤務時間数

管理職手当

管理職手当は、管理又は監督の地位にある職員に支給される手当です。

職位に応じて、4万円~7万円程度が支給されます。ただし、時間外勤務手当円程度が支給されます。ただし、管理職手当が支給されている職員は、一般的に時間外勤務手当等が支給されません。

期末手当・勤勉手当

期末手当と勤勉手当は、6月1日と12月1日に在職する職員に対して支給する手当です。これは、民間企業における賞与(ボーナス)に当たるものです。

期末手当は、在職期間に応じ、勤勉手当は勤務成績に応じて支給される手当です。

  • 期末手当:(給料月額+扶養手当+地域手当)×支給割合(130%程度)+(給料月額+扶養手当)×役職加算(0~20%)
  • 勤勉手当:(給料月額+地域手当)×支給割合(60~100%程度)+(給料月額+扶養手当)×役職加算(0~20%)

定時制通信教育手当

定時制通信教育手当は、高等学校の定時制課程の教育及び通信教育に従事する校長及び教員に対して支給する手当です。給料月額の、4~8%程度が支給されます。

産業教育手当

農業又は工業に係る産業教育に従事する教員に対して支給する手当です。給料月額の、3~10%程度が支給されます。

農林漁業普及指導手当

農林漁業普及指導手当は、林業改良指導員、水産業改良普及員及び生活改良普及員等に支給される手当です。給料月額の、5~15%程度が支給されます。

災害派遣手当

災害派遣手当は、災害対策基本法第32条第1項等に規定する職員で、住所又は居所を離れて被災地域等に滞在することを要するものに対して支給する手当です。滞在1日につき、3,000~8,000程度が支給されます。

生活関連手当

扶養手当

扶養手当は、扶養親族のある職員に対して支給する手当です。子以外の扶養手当は、俸給の高い職員(部長職以上)は減額又は支給されません。

  • 配偶者:6,500円
  • 子:10,000円又は15,000円
  • 父母兄弟等:6,500円

住居手当

住居手当は、借家・借間に居住する職員及び単身赴任手当受給者であって配偶者等が借家・借間に居住する職員に対して支給する手当です。

  • 職員本人:家賃額の半額程度(上限28,000円)
  • 配偶者等:家賃額の半額程度(上限14,000円)

単身赴任手当

単身赴任手当は、異動等に伴って住居を移転し、やむを得ない事情により同居していた配偶者と別居して単身で生活することとなった職員に対して支給される手当です。

職員の住居と配偶者の住居との交通距離に応じ月額30,000円~100,000円が支給されます。

寒冷地手当

寒冷地手当は、寒冷地に在勤する職員に対して、11月から3月までの期間支給される手当です。

寒冷地とは、北海道及び東北の都市のことを言い、地域区分と世帯区分に応じて支給されます。

地域区分世帯主(扶養有)世帯主(扶養無)非世帯主代表都市
1級地26,38014,58010,340旭川市、帯広市
2級地23,36013,0608,800札幌市、釧路市
3級地22,54012,8608,600函館市、室蘭市
4級地17,80010,2007,360青森市、盛岡市、秋田市

人材確保手当

地域手当

職務関連手当のパートで、『地域手当は、当該地域における民間の賃金水準を基礎として、当該地域における物価等を考慮して支給される手当』として解説しましたが、地域手当は人材確保手当としての性質も兼ね備えています。

地域手当は、医師及び歯科医師に対して特例的に支給されます。具体的には、地域手当に+10~20%程度です。

初任給調整手当

初任給調整手当は、専門的知識を必要とし、かつ、採用による欠員補充が困難であると認められる職に採用された職員に一定期間支給される手当です。

一般的に想定されている職種は医師で、最大で400,000万円以上支給することも可能です。

特地勤務手当

特地勤務手当は、離島その他の生活の著しく不便な地に勤務する職員に支給される手当です。

特地は1~6級地の6つに区分され、給料月額+扶養手当の4~25%程度が支給されます。

へき地手当

へき地手当は、へき地に所在する学校等に勤務する職員に対して支給される手当です。

へき地は1~5級地の5つに区分され、給料月額+扶養手当の4~25%程度が支給されます。

その他

通勤手当

通勤手当は、通勤のため、交通機関等を利用又は自動車等を使用することを常例とする職員に対して支給される手当です。片道2㎞以上あれば、自転車通勤でも支給されます。

通勤手当は、実費相当額が支給されます。(上限55,000円)

特定任期付職員業績手当

特定任期付職員業績手当は、特定任期付職員のうち、特に顕著な業績を挙げたと認められる職員に対して支給される手当です。

特定任期付職員業績手当は、給料月額に相当する額が支給されます。

任期付研究員業績手当

任期付研究員業績手当は、任期付研究員のうち、特に顕著な研究業績を挙げたと認められる職員に対して支給される手当です。

任期付研究員業績手当は、給料月額に相当する額が支給されます。

退職手当

退職手当は、職員が継続勤務して退職する場合に支給される手当です。

退職手当の解説は、非常にボリュームが大きいため、別途記事を用意しましたので御覧ください。

関連記事:地方公務員の退職金について(解説)

年収

年収は、1番少なく見積もるのであれば、給料月額×16倍程度ですが、各種手当によって大きく変動します。

例えば、住居手当を28,000円、扶養手当を36,500円支給されている職員は、いずれの手当も支給されていない職員と比較すると、年収が100万円ほど多いこととなります。

参考として、平均的な30歳の地方公務員の年収を掲載しました。

30歳の年収目安
  • 行政職 年収450万円
  • 医療職(医師・看護師系以外)500万円
  • 教育職 年収500万円
  • 消防職 年収500万円
  • 警察職 年収550万円
  • 医療職(看護師系) 550万円
  • 医療職(医師) 1200万円

地方公務員の給料は出世と業績次第

ここまで、地方公務員の給与について解説しましたが、ご理解いただけたでしょうか。給与に関する知識を得ることにより、冒頭で挙げたようなミスマッチが無いと良いなと思います。

公務員の給与は、昔ほど年功序列にのみとらわれたものではなくなってきており、早期の出世や勤務成績優秀による昇給等があれば、なかなか高額な収入を得ることができます。

このため、出来るだけ能力、やる気のある方に地方公務員になっていただき、最速出世をした上で、日本を地方から突き上げていただけたらと思います。

今後、伸び続けるであろう地方を、優秀な皆さんで牽引していきましょう。地方創生はこれからが本番です。

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【メニュー説明】

<解説>

①地方公務員の給料・手当・年収

②地方公務員の退職金

③地方公務員の出世に関すること

④会計年度任用職員制度に関すること

⑤地方公務員法に関すること

⑥働き方改革に関すること

<例規関係>

①法律

②規則

<リンク集>

①府省庁

②都道府県

③市町村

④独立行政法人

<お問合せフォーム>

何か問合せがあれば御利用ください。

 

解説
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