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解説

【解説】令和4年(2022年)人事院勧告について(勤勉手当増加・若年層給与増加)

令和4年8月8日(月)に人事院勧告に関する情報が発信されましたが、地方公務員の皆さん、既に情報を入手済みでしょうか?

まだ詳しく知らないよという方は、短くわかりやすく解説していきますので、この記事でご確認いただければと思います。

また、人事院勧告制度の仕組みがわからないという方は、解説記事を用意していますので、ご確認ください。

【解説】人事院勧告制度をわかりやすく解説(民間と国家公務員と地方公務員)

なお、人事院勧告及び資料の元データを確認したい方は、記事の下部にリンクを貼っておきますので、そちらからご確認ください。

給料月額の改定(若手中心に増額)

地方公務員の給料は、地方公務員法第13条規定の『情勢適応の原則』に則り、国家公務員や民間企業と同水準の給料を支給する必要があります。このため、地方自治体では、原則として、人事院勧告の内容に沿った給与改定が行われます。

今年の人事院勧告では、民間給与と比較して、国家公務員の給与が0.23%低いと判断され、この格差を埋めるため、若年層を中心とした給料月額引上げを勧告しています。具体的には次のようなモデルが挙げられており、30代半ば程度まで影響を及ぼす予定です。

高卒初任給で給料月額が4,000円増加、大卒初任給で3,000円増加なので、かなり大きな増加であると言えます。

期末手当・勤勉手当の改定(4.3月→4.4月に増加)

給料と同様に、ボーナス(期末勤勉手当)についても増額勧告が行われましたが、こちらは若年層のみならず、全ての職員を対象に引き上げられます。

公務員のボーナスは、勤務実績に基づいて支給される『期末手当』と勤務成績に基づいて支給される『勤勉手当』の二層構造となっていますが、今回引上げの対象となるのは、勤勉手当です。

勤勉手当が0.1月か月引き上げられることにより、期末・勤勉手当は年4.4か月分支給されることとなります。

しかし、新型コロナウイルスが流行する前の年4.5か月には0.1か月分及んではおらず、日本全体の景気とともに、回復を願うばかりです。

なお、近年の期末・勤勉手当の推移については、次のとおりです。

博士課程修了者等の処遇改善

博士課程修了者等の初任給基準の見直しが行われます。

具体的には、令和4年度中に初任給基準の改正が行われ、令和5年度4月1日から実施される予定です。

初任給が引き上がれば、現職の方の給料も調整されることとなりますので、博士課程修了者全体の給料アップが期待できます。

日本は、不況下における公務員への就職需要が高まっていますが、より良い人材を募るためには、給与を引き上げることは必須だと思いますので、良い傾向かと思います。

初任給基準や給料表の変化について、新しい情報が入り次第、発信していきます。

テレワークへの手当支給

テレワークの実施に係る光熱・水道費等の職員の負担軽減等の観点から、テレワークを行う場合に支給する新たな手当について、具体的な枠組みが検討されることとなりました。

既に2年近くテレワークを行っている地方公務員もおられるとは思いますが、ここにきて正式に検討段階に入りました。

職員各自の費用負担については、職場としてテレワーク化を進める上でのネックにもなっていたと思いますので、解消によって、テレワーク化に拍車がかかることとなりそうです。

恐らく手当額は雀の涙程度ですが、無いよりはマシだと思うようにしましょう。

今後の給与制度のアップデート

国は、定年引上げ完成を見据えた、今後の給与制度のアップデートを考案しています。これは、数年後には、地方公務員の処遇にも変化をもたらすこととなりそうです。

つきましては、今後の対応すべき課題と取組事案について発信されていましたので、参考に掲載しておきます。

対応すべき課題
  • 若い世代の誘致・確保
  • 積極的な中途採用や機動的で柔軟な配置・登用のニーズ
  • 採用者の年齢・経歴や採用後のキャリアパスの多様化
  • 働き方が多様化する中での職員の活躍支援や公務組織の全国展開の体制確保等の要請
取組事案
  • 若年層を始めとする人材の確保等の観点を踏まえた公務全体のあるべき給与水準
  • 多様な人材の専門性等に応じた給与の設定
  • 65歳定年を見据えた60歳前・60歳超の給与カーブ
  • 初任層、中堅層、管理職層などキャリアの各段階における能力・実績や職責の給与への的確な反映
  • 定年前再任用等をめぐる状況を踏まえた給与
  • 社会や公務の変化に応じた諸手当の見直し

関連リンク:令和4年人事院勧告(人事院)

関連リンク:給料表

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