【解説】人事院勧告制度をわかりやすく解説(民間と国家公務員と地方公務員)

【解説】人事院勧告制度をわかりやすく解説(民間と国家公務員と地方公務員)

「人事院勧告まだー?今年は人事院勧告ないのー?」と思っている皆さん、今年もちゃんとありますよ!

例年8月上旬頃に行われている人事院勧告ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で、民間給与実態調査が遅延し、今に至っているようです。

『ところで、人事院勧告ってなに?』そう思っている方も少なくないはずです。地方公務員の皆さんにとっては、処遇改善機会の1つとなっている人事院勧告ですが、詳しく知っている方は多くないですよね。

そのためこの記事では、人事院勧告がどんなものなのかを解説していきます。

また、令和2年度の人事院勧告がなされましたら、給与等への影響について別記事で解説いたします。

【解説】令和2年(2020年)人事院勧告について(期末手当0.05月削減)

人事院勧告制度は国家公務員(一般職)の人権保障が目的

人事院勧告とは、国家公務員法第3条第2項に規定された人事院の事務分掌の1つである『給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告』のことを言います。

公務員は、全体の奉仕者であることや職務に公共性があることなどを理由とし、憲法第28条で保障された労働基本権(団結権・団体交渉権・争議権)が制限されているため、憲法に違反しないためには身分保障のための適切な代償処置が必要となります。

この代償処置に当たるのが人事院勧告です。人事院は、国家公務員の給与・勤務時間・その他の勤務条件について、情勢適応の原則に則り適正に、国会及び内閣に対して勧告を行っています。

憲法違反しないための代償措置であるため、人事院勧告は非常に重要な位置づけとなり、国会でなされる給与法の改善に繋がるというわけです。

民間人には労働基本権があっても発動する機会は非常に少ないですから、国家公務員の方がむしろ処遇改善のチャンスを多く持っていると言えるかもしれません。

国家公務員法一部抜粋

(人事院)
第三条 内閣の所轄の下に人事院を置く。人事院は、この法律に定める基準に従つて、内閣に報告しなければならない。
○2 人事院は、法律の定めるところに従い、給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告、採用試験(採用試験の対象官職及び種類並びに採用試験により確保すべき人材に関する事項を除く。)、任免(標準職務遂行能力、採用昇任等基本方針、幹部職員の任用等に係る特例及び幹部候補育成課程に関する事項(第三十三条第一項に規定する根本基準の実施につき必要な事項であつて、行政需要の変化に対応するために行う優れた人材の養成及び活用の確保に関するものを含む。)を除く。)、給与(一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第六条の二第一項の規定による指定職俸給表の適用を受ける職員の号俸の決定の方法並びに同法第八条第一項の規定による職務の級の定数の設定及び改定に関する事項を除く。)、研修(第七十条の六第一項第一号に掲げる観点に係るものに限る。)の計画の樹立及び実施並びに当該研修に係る調査研究、分限、懲戒、苦情の処理、職務に係る倫理の保持その他職員に関する人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護等に関する事務をつかさどる。
○3 法律により、人事院が処置する権限を与えられている部門においては、人事院の決定及び処分は、人事院によつてのみ審査される。
○4 前項の規定は、法律問題につき裁判所に出訴する権利に影響を及ぼすものではない。

日本国憲法一部抜粋

第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

地方公務員への影響

『あれ?地方公務員関係ないじゃん!』と思われたかもしれませんが、人事院勧告は地方公務員にも間接的に影響を与えます。

なぜなら、地方公務員にも情勢適応の原則が適用されるからです。

情勢適応の原則とは、地方公務員法第14条に規定された考え方で、『地方公務員の給与や勤務時間等の勤務条件が、国家公務員や民間人と比べて、適切かどうかを常に考えるという義務が地方公共団体にありますよ』というものです。

国家公務員の処遇に関する法律等が人事院勧告によって改正されることにより、地方公務員の処遇と差が生まれるため、地方公共団体は適当な措置をしなくてはいけません。

このため、人事院勧告が行われると地方公務員の給与等にも影響が出るというわけです。

地方公務員法一部抜粋

(情勢適応の原則)
第十四条 地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。
2 人事委員会は、随時、前項の規定により講ずべき措置について地方公共団体の議会及び長に勧告することができる。

関連記事:【初心者向け】地方公務員法をわかりやすく解説

平成26年度(2014年)から6年連続増額改定

人事院勧告は、情勢適応の原則によって行われるため、民間企業の待遇に影響を受けます。

当然景気が上向きのときは、民間企業において従業員に支払う賃金が上昇するため、国家公務員の給与についても引き上げ勧告がなされ、地方公務員のの給与も増額改定されます。

近年で言えば、平成26年(2014年)から6年連続で引き上げ勧告がなされており、この6年間で職員平均の給料月額は約5,000円増額改定しました。

特に公務員は、若年層ほど給料月額が極端に少なく設定されているため、新卒者では1万円以上増額改定されています。

また、期末勤勉手当については、平成4年には5.45月支給されていたものが、平成22年には3.95月まで減少しましたが、平成26年から6年連続で増額改定が行われ、0.55月回復し、4.5月支給されるまでになりました。

景気の好調とともに順調に伸び続けており、更なる待遇上昇に期待を寄せるところですが・・・

令和2年度(2020年)人事院勧告は10月7日?

令和2年度(2020)年の人事院勧告は、10月7日(水)に予定されているようです。

皆さんも実感をお持ちかと思いますが、新型コロナウイルスの影響は景気にも及んでおり、情勢適応の原則を考えると、公務員の給与は『良くて増減なし、恐らく減少する』と思われます。

しかし、ここで消費を抑えてしまうと、出口の見えないトンネルに入ってしまいます。

民間企業の景気が良くならないと公務員の給与は良くならないのですから、消費を抑えるよりも、むしろ率先して消費活動を行うべきですよね。

特に、国が推し進めているGoToキャンペーンを率先して利用するのが理想的です。国が行っているお得なキャンペーンは、1番ダメージを負っている業界を助けるための施策のため、『国や弱者のために協力する』と思って利用するのが良いと思います。

中でも、GoToトラベルは、1番最初に実施に至ったため、最も切迫する業界は旅行・観光業界なのではないでしょうか?

私も少しでも協力するため、GoToトラベル事業を応援します!

みんなで行こう!Go To Travel!

GoToトラベルキャンペーンを詳しく知る:Go To トラベル事務局



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