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解説

【解説】令和2年(2020年)人事院勧告について(期末手当0.05月削減)

【解説】令和2年(2020年)人事院勧告について(期末手当0.05月削減)

地方公務員の皆さん、既に人事院勧告に関する情報は入手済みでしょうか?

まだ詳しく知らないよという方は、短くわかりやすく解説していきますので、この記事でご確認いただければと思います。

また、人事院勧告制度の仕組みがわからないという方は、解説記事を用意していますので、ご確認ください。

【解説】人事院勧告制度をわかりやすく解説(民間と国家公務員と地方公務員)

なお、人事院勧告及び資料の元データを確認したい方は、記事の下部にリンクを貼っておきますので、そちらからご確認ください。

10月28日(水)に月例給に関する人事院勧告がなされましたので、新たに解説記事を掲載しました。

 →【解説】令和2年(2020年)人事院勧告について②(給料月額の減額なし)

給与:期末手当が0.05月削減(削減は10年ぶり)

令和2年10月7日(水)に人事院勧告がなされ、人事院のHPに勧告及び資料が掲載されました。

地方公務員の皆さんにとって1番重要な情報は『給与』かと思いますので、初めに給与について解説します。

今回の勧告による給与変動は、次のとおりとなりました。

  • 給料月額:精査中
  • 期末手当:4.50月→4.45月(▲0.05月)
  • その他手当:精査中

今回の勧告で変動が明言されたのは、期末手当の削減についてのみです。

しかし、給料月額等に関する勧告がないと決定されたわけではありません。

民間企業に対する給与実態調査が、新型コロナウイルスの影響で遅延したために、現在精査中なのです。

このため、別途日程を改めて、給料月額等に関する勧告が行われる予定です。

民間企業の賞与が削減(4.51月→4.46月)

今回の人事院勧告に係る国家公務員の期末手当の削減は、民間企業の賞与(ボーナス)が削減されたこと伴ったものです。

具体的には、民間企業の賞与が0.05月分削減され、それと同様の下げ幅で勧告されました。

民間企業の平均賞与
  • 令和元年:4.51月
  • 令和2年:4.46月(▲0.05)

これは、情勢適応の原則があるため、やむを得ない削減と言えるでしょう。

情勢適応の原則

給与以外(人事管理に関する報告)

人事院勧告では、給与勧告と合わせて人事管理に関する報告が行われます。

この報告は、国家公務員の人事管理に関する具体的な課題と取組の方向性について報告されるものです。

国家公務員の人事管理に関する内容が直接的に地方公務員に影響することはありませんが、『国がやっているなら地方でもやる』という流れになることが多いため、抑えておきたいポイントです。

今年の人事管理に関する報告は、大きく分けて次の4つについてなされています。

人事管理に関する報告
  • 新型コロナウイルス感染症に係る取組
  • 人材確保及び育成
  • 勤務環境の整備
  • 定年引き上げ及び能力・実績に基づく人事管理の推進

新型コロナウイルス感染症に係る取組

新型コロナウイルス感染症に係る取組として、次の4つが挙げられています。

新型コロナウイルス感染症に係る取組
  • 採用試験の延期、実施時の感染対策、動画・SNS活用による情報発信
  • 研修の年間実施計画の見直し、外国大学院派遣研修の渡航時期を延期
  • 時差出勤、感染防止対策の周知、特別休暇を適用、公務災害認定事務等の迅速化
  • 感染症関連手当の支給、ネットを活用した公平審査に必要な調査

これらの取組は、必要に応じて各自治体で既に取り組んでいることと思いますが、実施する余地があるものは、あらかじめ検討していた方が良いでしょう。

人材確保及び育成

この項目には重要性の高い内容は特に挙げられていませんが、いわゆる就職氷河期世代を対象とした選考試験を11月以降に実施する旨が書かれており、採用試験の受験年齢の上限が、今後延長される可能性がある点は抑えておきたいところです。

勤務環境の整備

勤務環境の整備については、次の5つが挙げられています。

勤務環境の整備
  • 長時間労働の是正等
  • ハラスメント防止対策
  • 仕事と家庭の両立支援
  • 心の健康づくりの推進等
  • 非常勤職員の適切な処遇の確保

働き方改革に関する内容が多いですが、注目したいのはハラスメント防止対策についてです。

2020年6月からパワーハラスメントの防止に関して人事院規則が施行されており、社会的な注目度が高まっていることがわかります。

ハラスメントに関して何かが起こる前に、防止対策と対応フローを備えておいた方が良いですね。

なお、記事の最下部に、ハラスメントに関する3つの人事院規則を参考掲載しておきますので、興味のある方はご覧ください。

定年引き上げ及び能力・実績に基づく人事管理の推進

定年引き上げ及び能力・実績に基づく人事管理の推進については、次の2つが挙げられています。

定年引き上げ及び能力・実績に基づく人事管理の推進
  • 定年を段階的に65歳に引き上げるための措置の早期実施要請
  • 人事評価の結果を任用、給与等に適切に反映するための検討

定年に関しては、国に合わせてほとんどの自治体が引き上げることになるでしょうから、動向を追い続ける必要があります。

人事評価については、人事評価を形式上行っていても、昇任・昇給に反映させている自治体は多くないはずです。

しかし、必要性については明らかなため、実施に向けた検討や調整を勧めていくべきでしょう。

公務員の給与は景気次第

今回の人事院勧告の元となっている民間企業の給与実態調査について、賞与を算定した期間は、2019年8月〜2020年7月の期間です。

賞与は一般的に、6月と12月に支給することが多いため、算定された賞与のうち半分は、新型コロナウイルスが発生する前の実績です。

また、6月支給の賞与についても、全期間が影響を完全に受けたものではないため、令和3年の人事院勧告ではさらなる減額が予想されます

しかし、ここで消費を抑えてしまうと、出口の見えないトンネルに入ってしまいます。

民間企業の景気が良くならないと公務員の給与は良くならないのですから、消費を抑えるよりも、むしろ率先して消費活動を行うべきですよね。

特に、国が推し進めているGoToキャンペーンを率先して利用するのが理想的です。

国が行っているお得なキャンペーンは、1番ダメージを負っている業界を助けるための施策のため、『国や弱者のために協力する』と思って利用するのが良いと思います。

中でも、GoToトラベルは、1番最初に実施に至ったため、最も切迫する業界は旅行・観光業界なのではないでしょうか?

私も少しでも協力するため、GoToトラベル事業を応援します!

みんなで行こう!Go To Travel!

関連リンク:令和2年人事院勧告(人事院)

ハラスメントの防止に関する人事院規則

平成十年人事院規則一〇―一〇
人事院規則一〇―一〇(セクシュアル・ハラスメントの防止等)
人事院は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)に基づき、セクシュアル・ハラスメントの防止等に関し次の人事院規則を制定する。
(趣旨)
第一条 この規則は、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び職員の能率の発揮を目的として、セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにセクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 セクシュアル・ハラスメント 他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動
二 セクシュアル・ハラスメントに起因する問題 セクシュアル・ハラスメントのため職員の勤務環境が害されること及びセクシュアル・ハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けること
(人事院の責務)
第三条 人事院は、セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する施策についての企画立案を行うとともに、各省各庁の長がセクシュアル・ハラスメントの防止等のために実施する措置に関する調整、指導及び助言に当たらなければならない。
(各省各庁の長の責務)
第四条 各省各庁の長は、職員がその能率を充分に発揮できるような勤務環境を確保するため、セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に関し、必要な措置を講ずるとともに、セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
2 各省各庁の長は、当該各省各庁に属する職員が他の各省各庁に属する職員(以下「他省庁の職員」という。)からセクシュアル・ハラスメントを受けたとされる場合には、当該他省庁の職員に係る各省各庁の長に対し、当該他省庁の職員に対する調査を行うよう要請するとともに、必要に応じて当該他省庁の職員に対する指導等の対応を行うよう求めなければならない。この場合において、当該調査又は対応を行うよう求められた各省各庁の長は、これに応じて必要と認める協力を行わなければならない。
3 各省各庁の長は、セクシュアル・ハラスメントに関する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他セクシュアル・ハラスメントに対する職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならない。
(職員の責務)
第五条 職員は、セクシュアル・ハラスメントをしてはならない。
2 職員は、次条第一項の指針を十分認識して行動するよう努めなければならない。
3 職員を監督する地位にある者(以下「監督者」という。)は、良好な勤務環境を確保するため、日常の執務を通じた指導等によりセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(職員に対する指針)
第六条 人事院は、セクシュアル・ハラスメントをなくするために職員が認識すべき事項について、指針を定めるものとする。
2 各省各庁の長は、職員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。
(研修等)
第七条 各省各庁の長は、セクシュアル・ハラスメントの防止等のため、職員の意識の啓発及び知識の向上を図らなければならない。
2 各省各庁の長は、セクシュアル・ハラスメントの防止等のため、職員に対し、研修を実施しなければならない。この場合において、特に、新たに職員となった者にセクシュアル・ハラスメントに関する基本的な事項について理解させること並びに新たに監督者となった職員その他職責等を考慮して人事院が定める職員にセクシュアル・ハラスメントの防止等に関しその求められる役割及び技能について理解させることに留意するものとする。
3 人事院は、各省各庁の長が前二項の規定により実施する研修等の調整及び指導に当たるとともに、自ら実施することが適当と認められるセクシュアル・ハラスメントの防止等のための研修について計画を立て、その実施に努めるものとする。
(苦情相談への対応)
第八条 各省各庁の長は、人事院の定めるところにより、セクシュアル・ハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)が職員からなされた場合に対応するため、苦情相談を受ける職員(以下「相談員」という。)を配置し、相談員が苦情相談を受ける日時及び場所を指定する等必要な体制を整備しなければならない。この場合において、各省各庁の長は、苦情相談を受ける体制を職員に対して明示するものとする。
2 相談員は、苦情相談に係る問題の事実関係の確認及び当該苦情相談に係る当事者に対する助言等により、当該問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。この場合において、相談員は、次条第一項の指針に十分留意しなければならない。
3 職員は、相談員に対して苦情相談を行うほか、人事院に対しても苦情相談を行うことができる。この場合において、人事院は、苦情相談を行った職員等から事情の聴取を行う等の必要な調査を行い、当該職員等に対して指導、助言及び必要なあっせん等を行うものとする。
4 人事院は、職員以外の者であって職員からセクシュアル・ハラスメントを受けたと思料するものからの苦情相談を受けるものとし、当該苦情相談の迅速かつ適切な処理を行わせるため、人事院事務総局の職員のうちから、当該苦情相談を受けて処理する者をセクシュアル・ハラスメント相談員として指名するものとする。この場合において、当該苦情相談の処理については、規則一三―五(職員からの苦情相談)第四条(第三項を除く。)から第九条までの規定の例による。
(苦情相談に関する指針)
第九条 人事院は、相談員がセクシュアル・ハラスメントに関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項について、指針を定めるものとする。
2 各省各庁の長は、相談員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。
附 則
この規則は、平成十一年四月一日から施行する。
附 則 (平成一九年二月九日人事院規則一〇―一〇―一)
この規則は、平成十九年四月一日から施行する。
附 則 (平成三一年四月一日人事院規則一〇―一〇―二)
この規則は、公布の日から施行する。
附 則 (令和二年四月一日人事院規則一〇―一〇―三)
この規則は、令和二年六月一日から施行する。

平成二十八年人事院規則一〇―一五
人事院規則一〇―一五(妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等)
人事院は、国家公務員法に基づき、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等に関し次の人事院規則を制定する。
(趣旨)
第一条 この規則は、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び職員の能率の発揮を目的として、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止のための措置及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが生じた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この規則において、「妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント」とは、職場における次に掲げるものをいう。
一 職員に対する次に掲げる事由に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。
イ 妊娠したこと。
ロ 出産したこと。
ハ 妊娠又は出産に起因する症状により勤務することができないこと若しくはできなかったこと又は能率が低下したこと。
二 職員に対する次に掲げる妊娠又は出産に関する制度又は措置の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。
イ 規則一〇―七(女子職員及び年少職員の健康、安全及び福祉)第三条第一項の規定により妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせないこと。
ロ 規則一〇―七第四条の規定により深夜勤務又は正規の勤務時間等以外の時間における勤務をさせないこと。
ハ 規則一〇―七第五条の規定による保健指導又は健康診査を受けるため勤務しないこと。
ニ 規則一〇―七第六条第一項の規定により業務を軽減し、又は他の軽易な業務に就かせること。
ホ 規則一〇―七第六条第二項の規定による休息し、又は補食するため勤務しないこと。
ヘ 規則一〇―七第七条の規定による正規の勤務時間等の始め又は終わりにおいて勤務しないこと。
ト 規則一五―一四(職員の勤務時間、休日及び休暇)第二十二条第一項第六号又は規則一五―一五(非常勤職員の勤務時間及び休暇)第四条第二項第一号の規定による六週間(多胎妊娠の場合にあっては、十四週間)以内に出産する予定である場合の休暇
チ 規則一五―一四第二十二条第一項第七号又は規則一五―一五第四条第二項第二号の規定による出産した場合の休暇
リ 規則一五―一四第二十二条第一項第八号又は規則一五―一五第四条第二項第三号の規定による保育のために必要と認められる授乳等を行う場合の休暇
ヌ 規則一五―一四第二十二条第一項第九号の規定による妻の出産に伴う休暇
ル 規則一五―一五第四条第二項第九号の規定による保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守るための休暇
ヲ イからルまでに掲げるもののほか、人事院の定める妊娠又は出産に関する制度又は措置
三 職員に対する次に掲げる育児に関する制度又は措置の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。
イ 育児休業法第三条第一項に規定する育児休業
ロ 育児休業法第十二条第一項に規定する育児短時間勤務
ハ 育児休業法第二十六条第一項に規定する育児時間
ニ 勤務時間法第六条第四項の規定により週休日を設け、及び勤務時間を割り振ること。
ホ 規則一〇―一一(育児又は介護を行う職員の早出遅出勤務並びに深夜勤務及び超過勤務の制限)第三条の規定により早出遅出勤務をさせること。
ヘ 規則一〇―一一第六条の規定により深夜勤務をさせないこと。
ト 規則一〇―一一第九条又は第十条の規定により超過勤務をさせないこと。
チ 規則一五―一四第二十二条第一項第十号の規定による子の養育のための休暇
リ 規則一五―一四第二十二条第一項第十一号又は規則一五―一五第四条第二項第四号の規定による子の看護のための休暇
ヌ イからリまでに掲げるもののほか、人事院の定める育児に関する制度又は措置
四 職員に対する次に掲げる介護に関する制度又は措置の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。
イ 勤務時間法第六条第四項の規定により週休日を設け、及び勤務時間を割り振ること。
ロ 勤務時間法第二十条第一項に規定する介護休暇又は規則一五―一五第四条第二項第六号の規定による要介護者の介護をするための休暇
ハ 勤務時間法第二十条の二第一項に規定する介護時間又は規則一五―一五第四条第二項第七号の規定による要介護者の介護をするための休暇
ニ 規則一〇―一一第十三条の規定により読み替えられた同規則第三条の規定により早出遅出勤務をさせること。
ホ 規則一〇―一一第十三条の規定により読み替えられた同規則第六条の規定により深夜勤務をさせないこと。
ヘ 規則一〇―一一第十三条の規定により読み替えられた同規則第九条又は第十条の規定により超過勤務をさせないこと。
ト 規則一五―一四第二十二条第一項第十二号又は規則一五―一五第四条第二項第五号の規定による要介護者の世話を行うための休暇
チ イからトまでに掲げるもののほか、人事院の定める介護に関する制度又は措置
(人事院の責務)
第三条 人事院は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが生じた場合の対応(以下「妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等」という。)に関する施策についての企画立案を行うとともに、各省各庁の長が妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等のために実施する措置に関する調整、指導及び助言に当たらなければならない。
(各省各庁の長の責務)
第四条 各省各庁の長は、職員がその能率を充分に発揮できるような勤務環境を確保するため、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止に関し、必要な措置を講ずるとともに、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
2 各省各庁の長は、当該各省各庁に属する職員が他の各省各庁に属する職員(以下「他省庁の職員」という。)から妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントを生じさせる言動を受けたとされる場合には、当該他省庁の職員に係る各省各庁の長に対し、当該他省庁の職員に対する調査を行うよう要請するとともに、必要に応じて当該他省庁の職員に対する指導等の対応を行うよう求めなければならない。この場合において、当該調査又は対応を行うよう求められた各省各庁の長は、これに応じて必要と認める協力を行わなければならない。
3 各省各庁の長は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが生じた場合の職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならない。
(職員の責務)
第五条 職員は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントを生じさせる言動をしてはならない。
2 職員は、次条第一項の指針を十分認識して行動するよう努めなければならない。
3 職員を監督する地位にある者(以下「監督者」という。)は、良好な勤務環境を確保するため、日常の執務を通じた指導等により妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止に努めるとともに、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(職員に対する指針)
第六条 人事院は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントをなくするために職員が認識すべき事項について、指針を定めるものとする。
2 各省各庁の長は、職員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。
(研修等)
第七条 各省各庁の長は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等のため、職員の意識の啓発及び知識の向上を図らなければならない。
2 各省各庁の長は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等のため、職員に対し、研修を実施しなければならない。この場合において、特に、新たに職員となった者に妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する基本的な事項について理解させること並びに新たに監督者となった職員に妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等に関しその求められる役割及び技能について理解させることに留意するものとする。
3 人事院は、各省各庁の長が前二項の規定により実施する研修等の調整及び指導に当たるとともに、自ら実施することが適当と認められる妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等のための研修について計画を立て、その実施に努めるものとする。
(苦情相談への対応)
第八条 各省各庁の長は、人事院の定めるところにより、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)が職員からなされた場合に対応するため、苦情相談を受ける職員(以下「相談員」という。)を配置し、相談員が苦情相談を受ける日時及び場所を指定する等必要な体制を整備しなければならない。この場合において、各省各庁の長は、苦情相談を受ける体制を職員に対して明示するものとする。
2 相談員は、苦情相談に係る問題の事実関係の確認及び当該苦情相談に係る当事者に対する助言等により、当該問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。この場合において、相談員は、次条第一項の指針に十分留意しなければならない。
3 職員は、相談員に対して苦情相談を行うほか、人事院に対しても苦情相談を行うことができる。この場合において、人事院は、苦情相談を行った職員等から事情の聴取を行う等の必要な調査を行い、当該職員等に対して指導、助言及び必要なあっせん等を行うものとする。
(苦情相談に関する指針)
第九条 人事院は、相談員が妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項について、指針を定めるものとする。
2 各省各庁の長は、相談員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。
附 則
(施行期日)
1 この規則は、平成二十九年一月一日から施行する。
(人事院規則二―三の一部改正)
2 人事院規則二―三(人事院事務総局等の組織)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項第八号中「セクシュアル・ハラスメント」の下に「及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント」を加える。
附 則 (令和二年四月一日人事院規則一〇―一五―一)
この規則は、令和二年六月一日から施行する。

令和二年人事院規則一〇―一六
人事院規則一〇―一六(パワー・ハラスメントの防止等)
人事院は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)に基づき、パワー・ハラスメントの防止等に関し次の人事院規則を制定する。
(趣旨)
第一条 この規則は、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び職員の能率の発揮を目的として、パワー・ハラスメントの防止のための措置及びパワー・ハラスメントが行われた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この規則において、「パワー・ハラスメント」とは、職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害することとなるようなものをいう。
(人事院の責務)
第三条 人事院は、パワー・ハラスメントの防止及びパワー・ハラスメントが行われた場合の対応(以下「パワー・ハラスメントの防止等」という。)に関する施策についての企画立案を行うとともに、各省各庁の長がパワー・ハラスメントの防止等のために実施する措置に関する調整、指導及び助言に当たらなければならない。
(各省各庁の長の責務)
第四条 各省各庁の長は、職員がその能率を充分に発揮できるような勤務環境を確保するため、パワー・ハラスメントの防止に関し、必要な措置を講ずるとともに、パワー・ハラスメントが行われた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
2 各省各庁の長は、当該各省各庁に属する職員が他の各省各庁に属する職員(以下「他省庁の職員」という。)からパワー・ハラスメントを受けたとされる場合には、当該他省庁の職員に係る各省各庁の長に対し、当該他省庁の職員に対する調査を行うよう要請するとともに、必要に応じて当該他省庁の職員に対する指導等の対応を行うよう求めなければならない。この場合において、当該調査又は対応を行うよう求められた各省各庁の長は、これに応じて必要と認める協力を行わなければならない。
3 各省各庁の長は、パワー・ハラスメントに関する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他パワー・ハラスメントが行われた場合の職員の対応に起因して当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならない。
(職員の責務)
第五条 職員は、パワー・ハラスメントをしてはならない。
2 職員は、次条第一項の指針を十分認識して行動するよう努めなければならない。
3 管理又は監督の地位にある職員は、パワー・ハラスメントの防止のため、良好な勤務環境を確保するよう努めるとともに、パワー・ハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)が職員からなされた場合には、苦情相談に係る問題を解決するため、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(職員に対する指針)
第六条 人事院は、パワー・ハラスメントを防止しパワー・ハラスメントに関する問題を解決するために職員が認識すべき事項について、指針を定めるものとする。
2 各省各庁の長は、職員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。
(研修等)
第七条 各省各庁の長は、パワー・ハラスメントの防止等のため、職員の意識の啓発及び知識の向上を図らなければならない。
2 各省各庁の長は、パワー・ハラスメントの防止等のため、職員に対し、研修を実施しなければならない。この場合において、特に、新たに職員となった者にパワー・ハラスメントに関する基本的な事項について理解させること並びに昇任した職員にパワー・ハラスメントの防止等に関し昇任後の役職段階ごとに求められる役割及び技能について理解させることに留意するものとする。
3 人事院は、各省各庁の長が前二項の規定により実施する研修等の調整及び指導に当たるとともに、自ら実施することが適当と認められるパワー・ハラスメントの防止等のための研修について計画を立て、その実施に努めるものとする。
(苦情相談への対応)
第八条 各省各庁の長は、人事院の定めるところにより、パワー・ハラスメントに関する苦情相談が職員からなされた場合に対応するため、苦情相談を受ける職員(以下「相談員」という。)を配置し、相談員が苦情相談を受ける日時及び場所を指定する等必要な体制を整備しなければならない。この場合において、各省各庁の長は、苦情相談を受ける体制を職員に対して明示するものとする。
2 相談員は、次条第一項の指針に十分留意して、苦情相談に係る問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。
3 職員は、相談員に対して苦情相談を行うほか、人事院に対しても苦情相談を行うことができる。この場合において、人事院は、苦情相談を行った職員等から事情の聴取を行う等の必要な調査を行い、当該職員等に対して指導、助言及び必要なあっせん等を行うものとする。
(苦情相談に関する指針)
第九条 人事院は、相談員がパワー・ハラスメントに関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項について、指針を定めるものとする。
2 各省各庁の長は、相談員に対し、前項の指針の周知徹底を図らなければならない。
附 則 抄
(施行期日)
1 この規則は、令和二年六月一日から施行する。

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