【解説】申請と届出(3分学習)

【解説】申請と届出(3分学習)

地方公務員の皆さんは、公用文の作成をする機会が多く、様々な法律用語に悩まされていることと思います。

誤った用語を使用することにより、事務手続が上手くいかなかったり、混乱を招いてしまったりすることがありますよね。

特に、前任者や上司が誤って使用していた場合には、改めて用語の意味を調べることは少なく、無意識のうちにミスを踏襲してしまっていることも多いでしょう。

なかでも、『申請と届出』については、誤って使用している文書をよく見かけます。

どちらも書類を提出するなどの似たイメージを持つ行為のため、違和感なく使用しているのだと思いますが、出来るだけ正しい言葉を使いたいですよね。

このためこの記事では、申請と届出の違いについて解説していきますので、業務のご参考にしていただければと思います。

申請と届出の定義

申請と届出は、行政手続法第2条において、次のように定義づけされています。

行政手続法第2条(一部抜粋)
  • 第3号 申請:法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。
  • 第7号 届出:行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。
  • ※法令とは、法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例及び地方公共団体の執行機関の規則(規程を含む。以下「規則」という。)をいいます。(同条第1号)

申請と届出の違い(諾否の応答)

申請と届出は、似たような手続きに思えますが、1番の違いは『諾否の応答』があるかのかないのかです。

諾否の応答とは、承諾するか拒否するかを相手方に示す行為のことを言います。

申請に対しては諾否の応答をする必要がありますが、届出に対しては行う必要がありません。

なぜなら、届出は形式的な要件さえ満たしていれば、届出した段階で行政の意思とは関係なく効力が生じるからです。

もちろん、届出に不備がある場合は、補正を求めることができます。

諾否に関する注意点

申請があった場合に行政が取れる手段は、承諾・補正・拒否の3つしかなく、不受理とすることはできません。

また、申請があってもいつまでに応答するかを決めていなければ、住民の権利利益が損なわれてしまいますので、標準処理期間(通常要する期間)を定める努力義務が課されています。

さらに、標準処理期間を定めた場合は、公表しておく法的義務があります。

それから、諾否を判断するための具体的な審査基準を定め、公表しておく法的義務がありますし、これに基づいて拒否をする場合には、単に数量的な理由で不適合な場合を除いては、理由を掲示する必要があります。

これらのことに、ご注意ください。

申請と届出(具体例)

前記のように、諾否の応答があるものは申請で、ないものは届出です。

例えば、病院を開設するときは、知事又は保健所設置市長に書類を提出し、許可を得る必要があります。

『病院開設申請(行為)』に対して『許可(諾否の応答)』をするため、これは申請手続きです。

一方、出生届・死亡届・婚姻届・離婚届・転籍届等については、必要事項を記入した書類を市町村に提出するのみで、特段の応答はありませんが、提出の段階で効力が生じるため、これらは届出手続きです。

このように、手続きの名称に『申請』や『届』といった言葉が用いられていれば良いのですが、そうではない場合もありますので、ご注意ください。

なお、言葉を誤って使用しないためには、自分の所管する手続業務について、申請と届出をあらかじめ区分しておくことをおすすめします。

申請と届出は正しく使い分けよう

この記事では、行政手続法第2条に定義された、申請と届出について解説してきました。

申請と届出は日本語的には近い言葉で、混同しがちな言葉ではあると思いますが、地方公務員の皆さんは、住民や業者に対して手続きの案内を行うことが多いと思いますので、ぜひ覚えてください。

申請と届出を正しく使い分け、誤解を与えないように努めましょう。



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