コラム

行政の手続きにおける押印の廃止について(河野太郎行革担当大臣のブログを読んで)

令和2年9月28日付けで河野太郎行革担当大臣が、ご自身の公式ブログ『ごまめの歯ぎしり』に『行政の手続きにおける押印の廃止について』というタイトルの記事を書かれました。

内容としては、実質的な意味のないハンコの押印を無くすことで手間を省き、オンライン化を進めようというものです。

ごまめの歯ぎしり:行政の手続きにおける押印の廃止について

ハンコに関しては、若者やビジネスパーソンは必要性を感じておらず、お年寄りの文化になりつつあります。

ITが発達した現在では、ハンコを使用する機会が公的機関、金融機関、契約手続きくらいなので、当然かもしれません。

そもそも『指紋・虹彩・顔認証・DNA』のような、生まれ持った個性を科学的に人物を特定する方法とは異なり、ハンコは人工的に作られたアイテムに過ぎず、複製も簡単にできてしまいます。

それこそ、3Dプリンターの性能が向上し、普及した場合は複製し放題ですよね。むしろ、危険な場合が多いはずです。

しかしそれであっても『ハンコが一番大事』という固定概念を持ったお年寄りを中心とした人々がたくさんいます。

ここにメスを入れるのは、お年寄りよりも若者やビジネスパーソンに寄せた政策であるとも言え、明るい未来が見えた気がします。

印鑑証明、銀行印、契約書類は残す

これは恐らく、全てが一気に変わってしまうことによって起こる混乱を避けるために、段階を踏んで実施するということだと思います。

重要性の低いものから実証実験を行い、いずれはマイナンバー等を利用することにより行政手続きの全てがオンライン化されることを期待します。

税申告が既にオンライン化できているのだから、難易度はそこまで高くないでしょう。

不得手な人が困るという意見もたくさんあると思いますが、オンライン化で浮いた人手の一部を、サポートに回せば全然OKです。

ハンコに慣れた世代の人でさえ便利になったと感じる世の中になると、私は確証しています。

現在ハンコに関する例外はあるのか?

法令検索システムを利用して確認してみましたが、1つヒットしました。

明治三十二年法律第五十号(外国人ノ署名捺印及無資力証明ニ関スル法律)
第一条 法令ノ規定ニ依リ署名、捺印スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名スルヲ以テ足ル
○2 捺印ノミヲ為スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名ヲ以テ捺印ニ代フルコトヲ得
第二条 削除
附 則
第三条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則 (大正一五年四月二四日法律第七一号)
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

外国人の署名捺印及び無資力証明に関する法律は、外国人は捺印の代わりにサインでいいですよというものです。

日本人向けの法律等はヒットしませんでしたが、恐らくは要綱・要領・ガイドライン等に基づいて、省略しているケースもあろうかと思います。

特に地方公共団体における自治事務については、比較的柔軟な対応をしていると感じます。

柔軟に対応できるなら最初から押印を求めるなよとも思ってしまいますが。

併せて進めてほしい選挙のオンライン化

それから、ハンコ廃止とともに進めてほしいのが選挙の投票のオンライン化ですね。

とにかく選挙の投票をオンライン化してほしい。若者の投票率の低さは、オンライン化するだけで改善することができます。

若者の多くは、手間をかけてまでルール改正を求めません。その代わり、ルールの中で最大の効率を取りにいきます。

『決められた日時に投票所まで行って用紙に記入して箱に入れること』に時間を取られるのが馬鹿馬鹿しくて仕方ないのです。

また、投票率だけではなく、費用や労働力を無駄にしている点も見逃せません。

国政選挙は法定受託事務のため、地方公共団体が処理を行うこととなり、事務職を中心とした地方公務員が選挙事務に当たっています。

選挙当日だけをとっても、早朝から夜中まで多くの労働力を割き、人件費は国が負担しています。

投票も開票も、オンライン化されれば多くの費用と労働力を抑えられるはずです。

オンライン化を進める人たちを応援したい

行政手続きも選挙も、きっと数年後、遅くても十数年後にはオンライン化されていると思います。

どうせオンライン化するなら、早くやってほしいなと思いますし、オンライン化を目指す人たちを応援したいなと思います。

河野太郎大臣、よろしくお願いいたします!