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解説

地方公務員の退職手当を計算してみよう!(退職後は?)

地方公務員の皆さんは、『今退職したら退職手当はいくら貰えるんだろう?』そう考えたことはありませんか?

退職を考えている方はもちろんですが、ただなんとなく知りたいという方も多いですよね。

しかし、真剣に退職を考えているならともかく、ただなんとなく知りたいという理由で、給与担当者に尋ねることはできないと思います。

そこで、簡易的ながら、皆さんが自分の退職金を計算できるように考えてみました。

ぜひ、参考に計算してみてください。

関連:地方公務員の退職金について(解説)

退職手当の算定方法(概要)

退職手当は、次のような計算式で算定します。

退職手当の計算方法
  • 退職手当=基本額+調整額
  • 基本額=退職時の給料月額×支給割合×調整率
  • 調整額=調整月額×月数
  • 支給割合=勤務年数と退職事由から算定
  • 調整率=83.7%
  • 調整月額=職位又は級で定められた額
  • 調整月数=調整月額の大きい方から数えて最大60月分支給

以下、詳細に解説していきますが、支給割合や調整額は各地方公共団体によって異なりますので、正確に知りたい場合は条例及び規則を確認する必要があります。

給料月額(退職手当の基礎額)

給料月額は、退職時に支給されているものを使用します。もし、給料月額が削減されている場合は、削減前の給料を使用する自治体が多いです。

現在支給されている給料月額がわからない方や、将来の給料月額を知りたい方も多いと思いますので、参考に表を作成しました。

年齢給料月額
19150,600
20153,900
21158,900
22164,700
23170,400
24179,600
25187,200
26193,900
27199,900
28209,400
29216,200
30223,200
31229,500
32235,400
33240,700
34245,400
35249,800
35250,800
36256,500
37263,300
38270,200
39277,000
40283,700
41290,700
42297,500
42300,500
43308,600
44316,400
45324,300
46331,500
47339,200
48346,700
49352,600
50357,200
51361,200
52364,200
53366,600
54369,000
55371,200
56371,200
57371,200
58371,200
59371,200
60371,200

この表は、一般的な高卒の行政職が、係員のまま退職することを想定しています。また、昇給は55歳でSTOPしています。

このため、学歴・職歴・資格・査定昇給・昇任・休職・表彰等によって給料月額は増減しますが、基本的にはこの表より高額になると考えます。

勤続年数と退職事由(退職手当の支給月数)

支給月数は、勤続年数と退職事由によって異なります。

勤続年数の計算は、採用から退職までの年数を数えますが、端数処理や除算のルールは次のとおりです。

端数処理・除算ルール
  • 端数:6月以上を1年として、6月未満は切り捨てる
  • 育児休業期間:子が1歳未満の場合は1/3を、子が1歳以上の場合は1/2を除算する
  • 休職:病気休職、刑事休職、修学休職期間の1/2を、職員団体専従、自己啓発、配偶者同行休業期間の全てを除算する
  • 停職:停職期間の1/2を除算する

例えば、30年間在籍していたとしても、育児休業を12か月、病気休職を6か月していた場合は、『30年−7月(12×1/3=4月、6×1/2=3月)=29年5月』となり、勤続期間は29年と計算します。

支給月数の最大は60月ですが、調整率が83.7%のため、『60×83.7/100=50.22』となり、50.22月分が最大値です。

退職したら何ヶ月分支給されるかを知りたい方も多いと思いますので、参考に表を作成しました。

勤続年数定年退職自己都合
1年1.04630.5022
2年2.09251.0044
3年3.13881.5066
4年4.1852.0088
5年5.23132.511
6年6.27753.0132
7年7.32383.5154
8年8.374.0176
9年9.41634.5198
10年10.46255.022
11年11.61347.4326
12年12.76438.1691
13年13.91518.9057
14年15.0669.6422
15年16.216910.3788
16年17.890912.8814
17年19.564914.0867
18年21.238915.292
19年22.912916.4973
20年24.586917.7026
21年26.260921.3435
22年27.934923.0175
23年29.608924.6915
24年31.282926.3655
25年33.270828.0395
26年34.777429.3787
27年36.28430.7179
28年37.790632.0571
29年39.297233.3963
30年40.803834.7355
31年42.310435.7399
32年43.81736.7443
33年45.323637.7487
34年46.830238.7531
35年47.70939.7575
36年48.587940.7619
37年49.466741.7663
38年50.345642.7707
39年50.2243.7751
40年50.2244.7795
41年50.2245.7839
42年50.2246.7883

調整率を掛け合わせたものを用意しましたので、給料月額と掛け合わせれば支給額がわかります。

補職のある方は、さらに次の項で解説する『調整額』を足し合わせることで、実際の支給額に近づきます。

職位・級(退職手当の調整額)

調整額は、属する職位と級によって区分された加算要素であり、最も支給額の大きい60か月分が加算されます。

従って、降任等をしていない場合は、退職日から直近の60か月分が加算されることとなります。

1月当たりの調整額と、職位と級の対応表は次のとおりです。

調整額区分表
  • 第1号区分 (70,400円)
    1 行政職給料表8級
    2 医療職給料表(1)5級
    3 警察職給料表9級
  • 第2号区分 (65,000円)
    1 行政職給料表7級
    2 教育職給料表5級
    3 医療職給料表(1)4級
    4 消防職給料表7級
    5 警察職給料表8級
  • 第3号区分 (59,550円)
    1 医療職給料表(2)8級
    2 医療職給料表(3)7級
    3 警察職給料表7級
  • 第4号区分 (54,150円)
    1 行政職給料表6級
    2 教育職給料表4級
    3 医療職給料表(1)3級
    4 医療職給料表(2)6級又は7級
    5 医療職給料表(3)6級
    6 消防職給料表6級
    7 警察職給料表6級
  • 第5号区分 (43,350円)
    1 行政職給料表5級
    2 教育職給料表3級
    3 医療職給料表(1)2級
    4 医療職給料表(2)5級
    5 医療職給料表(3)5級
    6 消防職給料表5級
    7 警察職給料表5級
  • 第6号区分 (32,500円)
    1 行政職給料表4級
    2 医療職給料表(2)4級
    3 医療職給料表(3)4級
    5 警察職給料表4級
  • 第7号区分 (27,100円)
    1 行政職給料表3級
    2 教育職給料表2級
    3 医療職給料表(1)1級
    4 医療職給料表(2)3級
    5 医療職給料表(3)3級
    6 消防職給料表3級
    7 警察職給料表3級
  • 第8号区分 (21,700円)
    第1号~第7号区分以外の支給対象者
  • 第9号区分(0円)
    支給対象外

退職手当の計算完了!退職後は?

以上から、給料月額、勤続年数、退職事由、職位・級を基にして退職手当の計算ができますので、興味のある方はぜひ計算してみてください。

退職手当の計算
  • 退職手当=基本額+調整額
  • 基本額=退職時の給料月額×支給割合(調整率掛け合わせ済み)
  • 調整額=調整月額×月数

ところで、退職される皆さんは、退職後はどんな生活をしますか?

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