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解説

【脱炭素社会】京都市地球温暖化対策条例の改正に思う(世界一魅力的な大都市『京都』)

【脱炭素社会】京都市地球温暖化対策条例の改正に思う(世界一魅力的な大都市『京都』)

私は地方公務員として、SDGsが非常に重要なものであると考えて行動しており、同じような意識を持っていただける地方公務員を増やしたいと考えています。

そのため、身の回りのわかりやすいものを使ってSDGsの一部を解説することで、少しでも親しんでほしいと考え、先日はレジ袋の有料化義務化について記事にしたところです。

しかし、SDGsに関心のない方が多いためか、既にレジ袋に興味を無くしているためか、記事のPV数(読まれた数)が他の記事と比較して非常に伸び悩んでいます。

これではSDGsに対する意識付けとしてはパンチ力が足りないと考え、本日はSDGsに先進的に取り組まれている『京都市』の『地球温暖化対策条例』を取り上げていきます。

この条例を読むだけでも、2020年の米国大手出版社の雑誌メディアで『世界で最も魅力的な大都市』に選出される素晴らしさの一部に触れることが可能です。

関連記事:【17の目標】地方公務員のためにSDGsをわかりやすく詳しく解説

関連記事:【豊かな未来へ】レジ袋有料化義務化を通してSDGsに関心を持とう

京都市地球温暖化対策条例とは

京都市地球温暖化対策条例とは

(私が思う)京都市地球温暖化対策条例(平成16年12月24日制定、平成17年4月1日施行)は、平成9年に採択された京都議定書に抽象的に書かれている概念論を、行動可能な程度具体化したものです。

この条例は『地球温暖化対策について、京都市、事業者、市民及び観光旅行者その他の滞在者の責務を明らかにするとともに、地球温暖化対策の基本となる事項を定めて、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進することにより、持続的な発展が可能な都市を実現し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献すること』を目的として制定され、必要に応じて改正を重ねてきています。

地球温暖化対策のために『観光旅行者』に対しても責務を定めるなど、徹底して対策に取組む姿勢見られ、それらの取組はSDGsで掲げる17の目標にも広く関わる内容です。

京都市はこの条例を中心として、日本ないしは世界の地球温暖化対策を推進し、SDGs政策の先頭を行くまちとして活躍していると私は考えています。

低炭素社会→脱炭素社会(令和2年12月18日改正条例公布)

低炭素社会→脱炭素社会(令和2年12月18日改正条例公布)

京都市地球温暖化対策条例は、地球温暖化対策の一環として、温室効果ガスの排出量を少なくする『低炭素社会』を謳っていましたが、令和2年12月18日付け改正条例では、二酸化炭素排出量正味ゼロである『脱炭素社会』にアップデートされました。

この『脱炭素社会』については、記者会見・イベント・議会等で表明している地方公共団体はあるものの、条例で明記したインパクトは非常に大きく、人口約150万人・観光客約5000万人の世界一魅力的な大都市が、『脱炭素社会』を掲げるのは世界中に影響を与えることでしょう。

この素晴らしい条例改正について、市の公布文を引用しつつ、改正ポイント12を見出し的に紹介しておきます。

改正ポイント12
  • ①前文の改正:将来の世代が夢を描ける豊かな京都を作り上げていくため、令和32年までに二酸化炭素排出量正味ゼロと生活の質の向上及び持続可能な経済の発展とが同時に達成される脱炭素社会の実現を目指し,あらゆる主体と気候変動に対する危機感を共有し、地球温暖化、そして気候危機に覚悟を持って立ち向かうことを決意することとする。
  • ②目的の改正:脱炭素社会を実現するとともに、気候変動影響に対応して、生活の安定、社会及び経済の健全な発展並びに自然環境の保全を図り、もって現在及び将来の市民の健康で
  • 文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。
  • ③基本理念の新設:(1)事業活動及び日常生活において、二酸化炭素排出量正味ゼロが達成されるよう、社会経済システムの転換を図る、(2)本市、事業者、市民、環境保全活動団体及び観光旅行者その他の滞在者が、脱炭素社会を実現することの重要性を認識し、それぞれの責務に基づき、自主的かつ積極的に取り組む、(3)地球温暖化対策を通じて、温室効果ガスの排出の抑制等を図るとともに、社会及び経済の課題の解決に貢献することを基本理念とする。
  • ④京都市削減目標の改正:令和12年度までに京都市の区域内における1年度当たりの温室効果ガスの総排出量を、平成25年度から40パーセントに相当する量以上の量を削減することを目標とする。
  • ⑤各主体の責務の追加:京都市、事業者、市民、観光旅行者等の責務を追加・修正する。
  • ⑥地球温暖化対策計画に定める事項の追加:気候変動適応に関する具体的な施策を定める。
  • ⑦京都市による地球温暖化対策の充実:(1)再生可能エネルギー電気等の購入を促進するための施策、(2)再生可能エネルギー電気の安定的な供給を可能とする体制の構築に係る調査及び研究、(3)情報通信技術等を活用した自己の自動車等以外の交通手段による移動の効率化を推進するための施策、(4)情報通信技術の利用等による効率的な事業活動等を普及させるための施策、(5)気候変動影響を踏まえた水害その他自然災害の予防を図る施策、(6)気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の収集等を行う拠点としての機能を担う体制の確保
  • を施策に追加する。
  • ⑧事業者及び市民等の取組の充実:(1)事業者及び市民の取組、(2)事業者の取組、(3)観光旅行者その他の滞在者の取組を追加する。
  • ⑨特定排出機器販売者の義務:特定排出機器(エアコン、照明器具、テレビ、電気冷蔵庫、電気便座)の販売者は、特定排出機器を購入しようとする者に対し,特定排出機器のエネルギー消費効率について説明しなければならないこととする。
  • ⑩エネルギー消費量等報告によるエネルギー消費量の削減:(1)エネルギー消費量等報告書の提出、(2)指導及び助言、(3)勧告及び公表について追加する。
  • ⑪準特定建築物における再生可能エネルギー利用設備の設置:(1)準特定建築物における再生可能エネルギー利用設備の設置の義務、(2)完了の届出、(3)勧告及び公表について追加する。
  • ⑫建築士の説明等の義務:(1)建築士による再生可能エネルギー利用設備の設置に関する説明、(2)報告又は資料の提供、(3)勧告及び公表について追加する。

京都市におけるその他の取組

京都市におけるその他の取組

ここまで京都市地球温暖化対策条例にスポットを当ててきましたが、京都市がSDGsに関して取組んでいるのは地球温暖化対策だけではありません。

平成23年から10年間の都市経営の基本となる「はばたけ未来へ!京プラン(京都市基本計画)」では、10年後に目指すべき京都の未来像、そして未来像を実現するために特に優先的に取り組むべき11の「重点戦略」等を掲げています。

また、平成28年3月には、平成28年度からの5年間(京プランの計画期間後半期)に取り組む具体的な事業等を示した京プラン実施計画第2ステージを策定し、11の重点戦略のもと、様々な分野にわたる全307事業に取り組んでいます。

『SDGs』の理念や方向性等と「京プラン」の基本方針等は共通するため、各重点戦略と関連するSDGsの目標を示すことにより、具体的に取り組めるよう設計されています。

このように、京都市の都市基本計画はSDGsそのものです。数多くの伝統文化が京都に行き着き、今も生き続けているのは、こうした持続的な取組を未来のために行っていける故かもしれません。

地方公共団体はSDGsによるアピールを

地方公共団体はSDGsによるアピールを

この記事は、京都市が地球温暖化対策条例の改正を行ったことに、私が個人的に感銘を受けて書いたものです。

私はブログという媒体を用いましたが、こういった話題はもっと簡単に早く広くSNSなどで伝わるものであり、地方公共団体をブランディングしてアピールするチャンスでもあります。

京都市地球温暖化対策条例の改正を皮切りに、各地方公共団体において、SDGsを利用した
アピール合戦が巻き起これば最高です。

さらに言えば、もしこれからSDGsに関連付けた施策を考案するならば、それを支持・支援したい人が、参加できるようなプラットフォームを設けた形で実現してほしいと思います。

参加することで支持・支援する熱が上がり、周りが徐々に巻き込まれていき、結果として国全体がSDGsを推進するようになるはずです。

地方公務員である私は、少しでもそんな日本になってほしいので、SDGsについての発信を続けていきます。

外部リンク:京都市情報館 京都市地球温暖化対策条例

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