こんにちは、地方公務員のリムクロです。
本日は、上司にNOと言うのことの重要性について解説していきます。
地方公務員は、地方公務員法第32条の規定に基づき、上司の職務上の命令に忠実に従わなければなりません。もし、職務上の命令に従わなければ懲戒処分の対象となってしまいます。
ただし、上司に命令されたことの全てが正しいとは限りません。それにも関わらず、全ての命令に直ちに従う必要があるのでしょうか?
答えはNOです。むしろ、『NO』と言えることに価値があるのです。以下、詳しく解説していきます。
関連記事:【解説】問題意識を上司と共有しないと解決しない(責任を取るのは上司)
上司にNOと言えることに価値がある
地方公務員は、前述のとおり上司の命令に忠実に従う必要があります。このため、上司の命令が不適当な場合でも、単に無視をすることはできません。
不適当な命令をされた部下は、上司に対して意見を申し出たり、不満を表明することによって、調整することが必要です。
なお、ここでいう『不適当』とは、主に次のような場合を言います。
①職務命令の内容が不適当(法令や倫理に反する)
②より良い成果を挙げられる方法がある
上司の命令に対して、全て『YES』と回答し、行動するのは簡単かもしれませんが、法令や倫理に反するものや、非効率な命令に対して『NO』と言えることにより、業務の質が高くなります。
よって、上司にNOと言えることに価値があると言えます。
おすすめ記事:【ついに解禁?】地方公務員の副業制限についてわかりやすく解説
部下のNOが組織を正常化する
もしも、部下が全くNOを発しなかったとしたら、その組織はどうなってしまうでしょうか。
きっと、住民や議員などの目に触れないところでは、法令や倫理に違反したり非効率な命令ばかり飛び交う無能な組織となってしまうでしょう。
そして、無能な組織に優秀な人材は集まらず、住民サービスがどんどん低下していってしまいます。
こういった悪循環をさせないために、部下は『NO』と言える必要がありますし、上司は部下の『NO』に耳を傾ける必要があります。
関連チャンネル:地方公務員ドットコム(YouTube)
NOと言うために必要なこと
ここまで上司に『NO』と言うことの正義をうたってきましたが、上司に『NO』と言うのは簡単ではありませんよね。
何に対してでもNOを出していたら、人事評価や出世に響くでしょうし、上司から扱いにくい部下だと思われてしまいます。
大事なのは、不適切な命令に対するNOであって、上司そのものを否定することではありません。
上司の命令に対して、正しいNOを言えるためには、次のようなものが必要となります。
NOと言える人間関係を築く
上司と部下は、仲が良いほど調整のハードルが下がり、些細なことでもNOと言えるようになります。
例えば、普段は私語を一切しない間柄であれば、上司の脱字を指摘するだけでも胃が痛い思いをすると思います。
しかし、一緒にゴルフをするほど仲が良ければ、『係長脱字してますよ!』と簡単に伝えることができるはずです。
こういった、人間関係による躊躇がもたらす影響は非常に大きく、仕事のクオリティが左右されるため、NOと言える人間関係を築くことには大きな意味があります。
NOと言える能力を身につける
上司の命令が、はっきりと不適切である場合は比較的NOと言いやすいと思いますが、ぼんやりと不適切な気がする程度では、なかなかNOと言いづらいと思います。
はっきりと適否を判断できるようになるためには、知識や経験から得た能力を身につけることが重要です。
自分の部署に関する知識や経験を積極的に得られるような行動をし、自信を持ってNOと言えるようになりましょう。
例えば、部署に保管されている書籍や書類に、時間のあるときに一通り目を通して、イレギュラーなパターンを頭に叩き込んでおくと比較的対応しやすいと思います。
NOと言うための情報収集をする
上司の不適切な命令に対して、すぐにNOと言えれば1番良いのですが、多少時間が掛かっても問題ありません。
上司の命令に強い不適切性を感じた場合は、納得できるまで情報収集をし、正しい答えに行き着いた上でNOと言えば良いだけの話です。
情報収集する癖をつければ、情報収集するスピードや正確性が向上しますし、結果として、知識や経験が身に付きますので、能力を身につけることができます。
なお、情報収集のスピードと正確性は、軽視されがちなのですが、重要業務ほど必要な情報収集量が多くなると同時に、誤った情報を排除しなくてはならないので、かなり重要なスキルです。
『上司の不適切な命令にNOという』という一般的ではない動機かもしれませんが、この記事をきっかけに、情報収集の重要性を理解いただければ嬉しく思います。
関連記事:【解説】残業時間を減らして勉強時間を増やそう(情報格差)
住民のためにNOと言える公務員になろう
公務員の仕事は全て、住民サービスに影響を与えます。
上司の命令に対しては、『YES』で応える方が、波風が立たずに楽な公務員人生かもしれません。
しかし、あなたの『NO』には大きな価値があり、組織の質を上げ、住民サービスを向上させることができます。
住民のために、自己研鑽を怠らず、良好な人間関係を築き、上司の不適切な命令に対してNOを言える公務員になりましょう!