解説

GoToトラベルの支援金は一時所得!(確定申告が必要なケースも)

地方公務員の皆さんは、GoToトラベルを利用していますか?

GoToトラベルはお得に旅行ができるため、重宝していることと思いますが、気になるのは税金問題です。

GoToトラベルの支援金が、所得税法上の所得に該当することを知らないと、気づかずに脱税をしてしまう可能性があります。

支援金を受けた全ての人が確定申告をする必要はありませんが、その条件も含めて、この記事ではわかりやすく解説していきます。

GoToトラベルとは

GoToトラベルは、国が観光・地域経済再活性化への支援を目的に行われる事業であり、利用者は国内旅行をお得に楽しむことができます。

支援金は最大で旅行代金の50%分となり、内容は次のとおりです。

  • 旅行代金が35%OFF
  • 旅行代金の15%分のクーポン(旅行先で使用できる)
  • 1人1泊当たり最大2万円(最大7泊)、日帰り最大1万円

旅行代金はあらかじめ割引されて請求され、15%分のクーポンは旅行業者や宿泊施設から配布されます。

期間は2020年10月1日から2020年2月1日チェックインまでが対象です。(7月22日から9月30日までは旅行代金35%OFFのみが適用された)

例えば、2020年12月1日から2万円のホテルに2泊する場合は、次のとおりとなります。

  • 旅行代金:20,000−(20,000×0.35)=13,000円
  • クーポン:20,000×0.15=3,000円

このように、13,000円で23,000円分楽しむことができるわけです。

参考に、GoToトラベルに対応している旅行業者を貼り付けておきます。

支援金が一時所得に該当

ここからが本題です。

GoToトラベル事務局から、GoToトラベルの支援金が、所得税法上の区分の1つである、『一時所得』に該当することが示され、話題となっています。

Q133 Go To トラベル事業を利用して旅行した場合、国による支援額(旅行代金の2分 の1相当額)は課税対象になるのか。

A Go To トラベル事業は国内旅行を対象に、旅行業者等を通じて、宿泊・日帰り旅 行代金の 2 分の1相当額の給付を旅行者に対して行うものであり、この給付は税 務上、旅行者個人の一時所得として所得税の課税対象となります。ただし、課税対象になるとはいえ、一時所得については、所得金額の計算上、50 万円の特別控除が適用されることから、他の一時所得(懸賞や福引きの賞金品や 競馬や競輪の払戻金等※)とされる金額と Go To トラベル事業による給付額との 合計額が年間 50 万円を超えない限り、旅行者個人の課税所得は生じません。

Go To トラベル事務局 Go To トラベル事業 Q&A 集(10 月 30 日時点)

一時所得とは、『営利を目的とする』『継続的行為』から生じた以外の所得で、『労務や役務の対価としての性質』や『資産の譲渡による対価としての性質』を有しない『一時の所得』のことです。

これは要約すると『ラッキー収入』で、懸賞・福引・競馬・競輪・競艇・生命保険の一時金・業務以外で贈与された金品・落とし物・埋蔵物・クイズ賞金等が該当します。

また、ふるさと納税の返礼品や錬金術で話題のGoTOイートも同様に一時所得に該当します。

GoToトラベル事務局から示される前は、支援金は『雑所得』に該当するというのが一般的な考えで、雑所得は経費として取り扱える範囲が一時所得よりも広範囲なため、多額の利用をしていた人もいると思われます。

後出しジャンケン感否めない今回の所得税問題ですが、多くの人にとっては確定申告の必要はないはずです。私は毎週競馬を楽しんでいるため、所得税UPを余儀なくされました・・・。

確定申告が必要なケース

一時所得は、次の計算方法で導き出すことができます。

  • 一時所得=総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(50万円)

この計算で得た額の2分の1を、給与所得等に合算して所得税が算出されます。

今回の場合は、収入を得るために支出した金額は0円のため、支援金額が50万円を超えた場合は確定申告が必要です。

また、他の一時所得がある場合は、支援金と合算して50万円を超えると確定申告が必要となります。

従って、他の一時所得がない人は支援金(割引額+クーポン額)が50万円以下の場合は確定申告が必要ありません

所得税の申告漏れに注意

確定申告は、1月1日から12月31日までに生じた所得を、翌年2月16日から3月15日までの間に行い、所得税を納付する必要があります。

期限後に申告した場合は、『無申告加算税』が賦課されることとなり、税額が5%上乗せされてしまいます。

また、税務調査(確定申告漏れがバレた場合)によって発覚した場合は15%又は20%の上乗せがありますので、期限内に確定申告を済ませましょう。

なお、意図して納税していないとみなされた場合には、所得税第238条に規定する脱税に該当(十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。)します。

どんなに少額であっても、摘発される可能性があるのが脱税であり、一度税務調査のターゲットとなってしまった場合は、逃れることができないものです。

くれぐれも、所得税の申告漏れには注意しましょう。不安要素がある方は、税理士に相談するのが良いです。親身になって話を聞いてくれますよ。

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