地方公務員が支給される手当の中でも、住居手当は誰もが知っている一般的な手当だと思います。
しかし、要件や手当額の算定式など、詳しい内容については意外と知らないのではないでしょうか。
『要件に合致していなくて支給されなかった』『思っていたよりも手当が少ない』といった経験をした人も少なくないですよね。
そこでこの記事では、要件や算定式に加えて、注意点や持ち家との比較を解説し、住居手当の疑問を全て解決したいと思います。
また、賃貸物件や引越しサービスは、ネットで探すのが圧倒的にお得だということがわかりましたので、この記事の最後で紹介しています。
★地方公務員の住居手当に関する動画を作成しましたので、併せてご覧ください。
住居手当は家賃に対する補助(一部例外有)
住居手当は、職員本人が居住するための住宅の家賃に対する補助です。ただし、単身赴任している場合には、配偶者・親・子が居住するための住宅の家賃も対象となります。
また、持ち家に対する手当については、国家公務員への支給が平成21年12月に廃止されたことから、地方公務員に対する支給も、全国の9割方の自治体で廃止されました。
しかし、いまだに1割近くの自治体においては、持ち家に対する住居手当を支給しており、全国の公務員の間で不均衡が生じています。
皆さんの自治体において、持ち家に対する住居手当を支給しているかどうかは、給与条例及び給与条例施行規則等を確認すればわかります。
住居手当の認定3要件(借受・居住・支払)
住居手当を支給するためには『借受・居住・支払』の3つの要件を満たす必要があります。
例えば、賃貸借契約を交わし、3ヶ月分の家賃を支払っていたとしても、居住を始めていなければ手当は支給されません。
このため、手当支給の届出を人事担当課に対して行う際には『契約書・住民票・領収書』等の添付を求められているはずです。
この添付資料は、単に形式的に提出を求めているわけではなくて、要件具備を確認するための手段として求められています。
また、住居手当の支給時期は、要件具備が月の初日である場合は当月から、月の途中である場合は翌月からとなります。
なお、3要件を具備してから15日以内に手当支給の届出を行わなければ、届出するまでの住居手当が不支給となりますので、速やかに行うようにしましょう。
住居手当の支給上限と算定方法(計算結果も参考に)
住居手当は、次の式に当てはめて計算し、上限を28,000円としているのが一般的です。
ただし、地域の実情等に応じて、下限額と上限額を下げている自治体も多く見られますので、条例を確認しましょう。
その場合には計算式も異なりますが、控除額(-16,000と-27,000)と加算額(+11,000)に、各自治体の金額を代入すれば問題なく計算できると思います。
なお、上限が28,000円の一般的な住居手当については、家賃額・住居手当・実費額の表を作成しましたので、ご確認ください。
家賃額 | 支給額 | 実費額 |
16,000 | 0 | 16,000 |
16,500 | 500 | 16,000 |
17,000 | 1,000 | 16,000 |
17,500 | 1,500 | 16,000 |
18,000 | 2,000 | 16,000 |
18,500 | 2,500 | 16,000 |
19,000 | 3,000 | 16,000 |
19,500 | 3,500 | 16,000 |
20,000 | 4,000 | 16,000 |
20,500 | 4,500 | 16,000 |
21,000 | 5,000 | 16,000 |
21,500 | 5,500 | 16,000 |
22,000 | 6,000 | 16,000 |
22,500 | 6,500 | 16,000 |
23,000 | 7,000 | 16,000 |
23,500 | 7,500 | 16,000 |
24,000 | 8,000 | 16,000 |
24,500 | 8,500 | 16,000 |
25,000 | 9,000 | 16,000 |
25,500 | 9,500 | 16,000 |
26,000 | 10,000 | 16,000 |
26,500 | 10,500 | 16,000 |
27,000 | 11,000 | 16,000 |
27,500 | 11,250 | 16,250 |
28,000 | 11,500 | 16,500 |
28,500 | 11,750 | 16,750 |
29,000 | 12,000 | 17,000 |
29,500 | 12,250 | 17,250 |
30,000 | 12,500 | 17,500 |
30,500 | 12,750 | 17,750 |
31,000 | 13,000 | 18,000 |
31,500 | 13,250 | 18,250 |
32,000 | 13,500 | 18,500 |
32,500 | 13,750 | 18,750 |
33,000 | 14,000 | 19,000 |
33,500 | 14,250 | 19,250 |
34,000 | 14,500 | 19,500 |
34,500 | 14,750 | 19,750 |
35,000 | 15,000 | 20,000 |
35,500 | 15,250 | 20,250 |
36,000 | 15,500 | 20,500 |
36,500 | 15,750 | 20,750 |
37,000 | 16,000 | 21,000 |
37,500 | 16,250 | 21,250 |
38,000 | 16,500 | 21,500 |
38,500 | 16,750 | 21,750 |
39,000 | 17,000 | 22,000 |
39,500 | 17,250 | 22,250 |
40,000 | 17,500 | 22,500 |
40,500 | 17,750 | 22,750 |
41,000 | 18,000 | 23,000 |
41,500 | 18,250 | 23,250 |
42,000 | 18,500 | 23,500 |
42,500 | 18,750 | 23,750 |
43,000 | 19,000 | 24,000 |
家賃額 | 支給額 | 実費額 |
43,500 | 19,250 | 24,250 |
44,000 | 19,500 | 24,500 |
44,500 | 19,750 | 24,750 |
45,000 | 20,000 | 25,000 |
45,500 | 20,250 | 25,250 |
46,000 | 20,500 | 25,500 |
46,500 | 20,750 | 25,750 |
47,000 | 21,000 | 26,000 |
47,500 | 21,250 | 26,250 |
48,000 | 21,500 | 26,500 |
48,500 | 21,750 | 26,750 |
49,000 | 22,000 | 27,000 |
49,500 | 22,250 | 27,250 |
50,000 | 22,500 | 27,500 |
50,500 | 22,750 | 27,750 |
51,000 | 23,000 | 28,000 |
51,500 | 23,250 | 28,250 |
52,000 | 23,500 | 28,500 |
52,500 | 23,750 | 28,750 |
53,000 | 24,000 | 29,000 |
53,500 | 24,250 | 29,250 |
54,000 | 24,500 | 29,500 |
54,500 | 24,750 | 29,750 |
55,000 | 25,000 | 30,000 |
55,500 | 25,250 | 30,250 |
56,000 | 25,500 | 30,500 |
56,500 | 25,750 | 30,750 |
57,000 | 26,000 | 31,000 |
57,500 | 26,250 | 31,250 |
58,000 | 26,500 | 31,500 |
58,500 | 26,750 | 31,750 |
59,000 | 27,000 | 32,000 |
59,500 | 27,250 | 32,250 |
60,000 | 27,500 | 32,500 |
60,500 | 27,750 | 32,750 |
61,000 | 28,000 | 33,000 |
61,500 | 28,000 | 33,500 |
62,000 | 28,000 | 34,000 |
62,500 | 28,000 | 34,500 |
63,000 | 28,000 | 35,000 |
63,500 | 28,000 | 35,500 |
64,000 | 28,000 | 36,000 |
64,500 | 28,000 | 36,500 |
65,000 | 28,000 | 37,000 |
65,500 | 28,000 | 37,500 |
66,000 | 28,000 | 38,000 |
66,500 | 28,000 | 38,500 |
67,000 | 28,000 | 39,000 |
67,500 | 28,000 | 39,500 |
68,000 | 28,000 | 40,000 |
68,500 | 28,000 | 40,500 |
69,000 | 28,000 | 41,000 |
69,500 | 28,000 | 41,500 |
70,000 | 28,000 | 42,000 |
70,500 | 28,000 | 42,500 |
家賃に含まれないもの(重要)
住居手当は家賃によって支給される金額が異なりますが、家賃に含まれないものを含んだ金額で届出てしまうケースがよくあります。
賃貸借契約書の内容が曖昧なことも少なくありませんが、人事担当課では必ず確認するため、これらが含まれているかいないかが契約書の内容から読み取れない時は、事前に確認しておきましょう。
不正受給は懲戒処分(絶対にやめましょう)
近年では、住居手当の不正受給によって懲戒処分を受けているケースが目立ちます。
人事担当課は、届出のあった手当を認定するだけではなく、要件が満たされているかどうかを事後においても調査する義務があるため、不正に受給した住居手当は絶対にバレてしまいます。
契約書を偽造したり、転居後に届出しなかった場合は論外ですが、家賃が下がった場合にも届出が必要なため、注意が必要です。
懲戒免職となったケースもありますので、きちんと届出するよう意識しましょう。
なお、親族間契約が偽造であったケースが発覚し、親族間の賃貸契約に対する住居手当が全て不支給となった自治体も多いようですよ。
公務員は賃貸が圧倒的にお得
ここまでで住居手当のことをご理解いただけましたでしょうか?
公務員は、持ち家の場合は1円も手当が支給されないのに対して、賃貸住宅に住んでいるだけで手当が支給されます。
61,000円以上のアパートに住んでいるだけで【28,000円×12月=336,000円】が支給されるため、公務員は賃貸が圧倒的にお得です。
このため、公務員にとっては、マイホームを立てるのはとてもハードルが高いかもしれませんね。
お得に生きるなら、賃貸住宅を選びましょう。そして賃貸住宅に住んだら、必ず届出を忘れずに!
✳ちなみに、私は趣味として一軒家を建てて住んでいます。公務員は、マイホームに住む場合でも優遇されますね♪詳しくは『地方公務員は25歳でマイホームを持てる(お得情報有り)』をご覧ください。
賃貸物件と引越しサービスはネットで探すのがお得!
この記事を書くに当たって、賃貸住宅の不動産や引越しサービスについても詳しく調べましたが、 人件費や店舗使用料が節約出来る分、ネットで探す方が経済的で、融通が利くことがわかりました。
また、店舗に行くと『予算・目的・条件』などの質問を受けますが、面と向かって言いにくいこともあると思います。『たくさん時間をかけてくれたから、少し高いけど契約しよう。』と思ってしまうこともあるかもしれません。
これらを総合的に考えると、ネットサービスのメリットが多いことに気づきます。
中でも優秀だと感じた賃貸サービスが『Village House』で、家賃は20,000円台から、敷金・礼金・手数料・更新料・鍵交換が全て無料という文句なしのサービス内容。全国に100,000室以上の物件を用意していて、キャンペーン中は初回家賃が最大3万円OFF。大手と比較すると、10万円単位でお得だから、使わない手は無いといった印象です。一方引越サービスは、地域・時期・世帯構成によってどこが得とは一概には言えないため、『 引越し侍』というサービスを使用するのが良いと思います。引越し侍は、全290業者の中から、選択した最大10社の見積もりを無料で作成してくれるサービスです。自分で10社に依頼して、1件1件断りを入れるのはかなり苦痛な作業だと思いますので、それがないだけでも良いサービスだと言えます。また、見積もり額を比較されているのがわかっているので、比較的安価になりやすいと考えられます。
これから引っ越しを考えている方の参考になれば幸いです♪
おすすめ記事:【解説】地方公務員の扶養手当をわかりやすく解説(要件・金額・届出)
おすすめ商品:節約が目に見える!電気代の基本料金が0円の0円でんき