こんにちは、地方公務員のリムクロです。
今日は、『地方交付税交付金から地方公共団体の努力について考える』をテーマとしてお届けします。
あなたのまちには、どんな公共施設や行政サービスがありますか?学校や消防署をはじめ、たくさんの公共施設や行政サービスが展開されていますよね。
このように、日本国内であれば、全国どこに行っても高い水準の生活が送られるはずです。
「都会と田舎では全然違うよ?」そう思った方も多いと思いますが、自治体の税収の差と比べると、かなり均衡したサービスを受けられていると思いませんか?
人口100万人の大都市と人口1000人の小都市では、住民一人当たりが納めている税額も大きく異なります。
それでも、学校、消防、警察、医療、道路、上下水、通信、電気、ガス、教育施設など、様々なサービスを受けられていると思います。
これは一体なぜだろうか?答えは、地方交付税交付金が『財源偏在の調整』をしてくれているからです。
この記事では、地方交付税交付金をわかりやすく解説し、全ての地方公共団体が努力しなければならない理由について述べていきますので、最後までご覧いただければ幸いです。
地方交付税交付金とは
地方交付税は、次の目的で交付されています。
①〜③の目的を果たすため、地方交付税は、各地方公共団体の財源の過不足を調整する形で、条件や使途の指定なく交付されます。
また、地方交付税は、普通交付税と特別交付税に区分されており、特別交付税は地方交付税のうち6%を、普通交付税では措置されない個別の財政需要(災害対応など)に充てるために設けられた交付税です。
なお、普通交付税額は、次の式で求めることができます。
普通交付税額 = 基準財政需要額 – 基準財政収入額
このように、地方交付税交付金によって、理論上必要最低限の財源が確保されることにより、全国どこに行っても、安心して暮らせる環境が整えられるわけです。
地方交付税交付金の財源
皆さんも、ある程度予想がつくことと思いますが、地方交付税を交付するためには、非常に大きな財源が必要となります。
具体的には、全国の地方公共団体で合わせて16兆円もの財源が必要となり、これは国の歳出予算の約16%に当たる金額です。
この財源は、次の税収をもって充てることとされています。
しかし、実際にはこれだけでは財源不足が生じており、不足分は国の一般会計と地方債で賄っている状態です。
また、新型コロナウイルスの影響による経済の停滞が、これに重なることによって、更なる財源不足が生じることは間違いありません。
医療提供体制とのバランスは考慮しつつも、安全に経済を動かす必要はあると思いますが、多くの地方公共団体において『自粛』に偏った政策となっていることは否めないところです。
地方交付税交付金の令和2年度不交付団体
財源不足が続き、今後の地方自治に大きな不安が残りますが、全国の地方公共団体の中には、地方交付税の交付を受けていない団体があります。
これらは、各地方公共団体にとって重要なサンプルであり、創意工夫の一部を取り入れるだけでも大きな効果があるかもしれません。
このため、該当する全ての地方公共団体を一覧で紹介していきます。なお、全ての都道府県や市町村ホームページへのリンクは、当ブログの『リンク集』に用意しておりますので、ご利用ください。
地方公共団体は努力が必要
ここまでで、ほとんどの地方公共団体が地方交付税の交付を受けているため、地方交付税交付金には大きな財源が必要であり、現状は財源が不足している状態であるを理解していただけたかと思います。
この状況を打破するためには、交付税の財源である税収を増やすか、地方公共団体の収支を改善させることが必要です。
前者の交付税の財源である税収の増加は、国が行えることは、税率の増加や適用範囲の拡大などの負担増的政策しかありません。
しかし、地方公共団体においては、地域経済の活性化等を通じて、負担増無く税収を増加させることができます。
また、地方公共団体の収支改善は、公共施設利用やイベント開催等による増収や、無駄を省いたスマートシティの実現による支出の抑制など、努力次第では改善の余地が多く残されているはずです。
全国の地方公共団体は、首長を中心とした多様な運営が行われていますが、常に努力を行っている団体と、努力を怠っている団体があるように思えます。
『努力しない地方公共団体は淘汰されるから放っておけ』とついつい口にしてしまいがちですが、財政においては、地方公共団体は国の子会社のようなものです。
子会社同士が淘汰しあっているようでは、住民に最高のサービスを提供することができません。
地方公共団体は、常に努力をし続け、他の団体と競争しつつも協力し、住民サービスを目指していく必要があるのだと思います。
そしてそれを実現するためには、私達地方公務員が、努力し続けなければなりませんので、皆さん頑張っていきましょう!