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例規

被災者生活再建支援法(全文)

被災者生活再建支援法(全文)

平成十年法律第六十六号
被災者生活再建支援法
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
被災者生活再建支援金の支給(第三条―第五条)
第三章
被災者生活再建支援法人(第六条―第十七条)
第四章
国の補助等(第十八条―第二十条)
第五章
雑則(第二十条の二―第二十二条)
第六章
罰則(第二十三条―第二十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 自然災害 暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害をいう。
二 被災世帯 政令で定める自然災害により被害を受けた世帯であって次に掲げるものをいう。
イ 当該自然災害によりその居住する住宅が全壊した世帯
ロ 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、又はその居住する住宅の敷地に被害が生じ、当該住宅の倒壊による危険を防止するため必要があること、当該住宅に居住するために必要な補修費等が著しく高額となることその他これらに準ずるやむを得ない事由により、当該住宅を解体し、又は解体されるに至った世帯
ハ 当該自然災害により火砕流等による被害が発生する危険な状況が継続することその他の事由により、その居住する住宅が居住不能のものとなり、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれる世帯
ニ 当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し、基礎、基礎ぐい、壁、柱等であって構造耐力上主要な部分として政令で定めるものの補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯(ロ及びハに掲げる世帯を除く。次条において「大規模半壊世帯」という。)
第二章 被災者生活再建支援金の支給
(被災者生活再建支援金の支給)
第三条 都道府県は、当該都道府県の区域内において被災世帯となった世帯の世帯主に対し、当該世帯主の申請に基づき、被災者生活再建支援金(以下「支援金」という。)の支給を行うものとする。
2 被災世帯(被災世帯であって自然災害の発生時においてその属する者の数が一である世帯(第五項において「単数世帯」という。)を除く。以下この条において同じ。)の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に、当該被災世帯が次の各号に掲げる世帯であるときは、当該各号に定める額を加えた額とする。
一 その居住する住宅を建設し、又は購入する世帯 二百万円
二 その居住する住宅を補修する世帯 百万円
三 その居住する住宅(公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅を除く。)を賃借する世帯 五十万円
3 前項の規定にかかわらず、被災世帯が、同一の自然災害により同項各号のうち二以上に該当するときの当該世帯の世帯主に対する支援金の額は、百万円(大規模半壊世帯にあっては、五十万円)に当該各号に定める額のうち最も高いものを加えた額とする。
4 前二項の規定にかかわらず、前条第二号ハに該当する被災世帯であって政令で定める世帯の世帯主に対する支援金の額は、三百万円を超えない範囲内で政令で定める額とする。
5 単数世帯の世帯主に対する支援金の額については、前三項の規定を準用する。この場合において、第二項及び第三項中「百万円」とあるのは「七十五万円」と、「五十万円」とあるのは「三十七万五千円」と、第二項中「二百万円」とあるのは「百五十万円」と、前項中「三百万円」とあるのは「二百二十五万円」と読み替えるものとする。
(支給事務の委託)
第四条 都道府県は、議会の議決を経て、支援金の支給に関する事務の全部を第六条第一項に規定する支援法人に委託することができる。
2 都道府県(当該都道府県が前項の規定により支援金の支給に関する事務の全部を第六条第一項に規定する支援法人に委託した場合にあっては、当該支援法人)は、支援金の支給に関する事務の一部を市町村に委託することができる。
(政令への委任)
第五条 支援金の申請期間、支給方法その他支援金の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 被災者生活再建支援法人
(指定等)
第六条 内閣総理大臣は、被災者の生活再建を支援することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務(以下「支援業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、被災者生活再建支援法人(以下「支援法人」という。)として指定することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、総務大臣に協議するものとする。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、支援法人の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
4 支援法人は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
5 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(業務)
第七条 支援法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 第三条第一項の規定により支援金を支給する都道府県(第四条第一項の規定により支援金の支給に関する事務の全部を支援法人に委託した都道府県を除く。)に対し、当該都道府県が支給する支援金の額に相当する額の交付を行うこと。
二 第四条第一項の規定により都道府県の委託を受けて支援金の支給を行うこと。
三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。
(費用の支弁)
第八条 支援法人は、第四条第一項の規定により都道府県の委託を受けて支援金の支給を行うときは、支援金の支給に要する費用の全額を支弁する。
(基金)
第九条 支援法人は、支援業務を運営するための基金(以下この条において単に「基金」という。)を設けるものとする。
2 都道府県は、支援法人に対し、基金に充てるために必要な資金を、相互扶助の観点を踏まえ、世帯数その他の地域の事情を考慮して、拠出するものとする。
3 都道府県は、前項の規定によるもののほか、基金に充てるために必要があると認めるときは、支援法人に対し、必要な資金を拠出することができる。
(運営委員会)
第十条 支援法人は、運営委員会を置くものとする。
2 次に掲げる事項は、運営委員会の議決を経なければならない。
一 次条第一項に規定する業務規程の作成及び変更
二 第十二条第一項に規定する事業計画書及び収支予算書の作成及び変更
3 運営委員会は、前項に定めるもののほか、支援業務の運営に関する重要事項について、支援法人の代表者の諮問に応じて審議し、又は支援法人の代表者に意見を述べることができる。
4 運営委員会の委員は、都道府県知事の全国的連合組織の推薦する都道府県知事をもって充てるものとする。
(業務規程の認可)
第十一条 支援法人は、支援業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下この条において「業務規程」という。)を作成し、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 内閣総理大臣は、前項の認可をした業務規程が支援業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 業務規程に記載すべき事項は、内閣府令で定める。
(事業計画等)
第十二条 支援法人は、毎事業年度、内閣府令で定めるところにより、支援業務に関し事業計画書及び収支予算書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 支援法人は、内閣府令で定めるところにより、毎事業年度終了後、支援業務に関し事業報告書及び収支決算書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
(区分経理)
第十三条 支援法人は、支援業務に係る経理とその他の経理とを区分して整理しなければならない。
(秘密保持義務)
第十四条 支援法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、第七条第二号の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(報告)
第十五条 内閣総理大臣は、支援業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、支援法人に対し、当該業務又は資産の状況に関し必要な報告をさせることができる。
(監督命令)
第十六条 内閣総理大臣は、支援業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、支援法人に対し、支援業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第十七条 内閣総理大臣は、支援法人がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したときは、第六条第一項の指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。
2 第六条第二項の規定は、前項の規定により指定の取消しをしようとするときについて準用する。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
第四章 国の補助等
(国の補助)
第十八条 国は、第七条第一号の規定により支援法人が交付する額及び同条第二号の規定により支援法人が支給する支援金の額の二分の一に相当する額を補助する。
(地方債の特例)
第十九条 第九条第二項の規定に基づく都道府県の支援法人に対する拠出に要する経費については、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条各号に規定する経費に該当しないものについても、地方債をもってその財源とすることができる。
(国の配慮)
第二十条 国は、第九条第二項及び第三項の規定に基づく都道府県の支援法人に対する拠出が円滑に行われるよう適切な配慮をするものとする。
第五章 雑則
(譲渡等の禁止)
第二十条の二 支援金の支給を受けることとなった者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
2 支援金として支給を受けた金銭は、差し押さえることができない。
(公課の禁止)
第二十一条 租税その他の公課は、支援金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
(政令への委任)
第二十二条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。
第六章 罰則
第二十三条 第十四条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十四条 第十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
第二十五条 支援法人の代表者又は支援法人の代理人、使用人その他の従業者が、支援法人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、支援法人に対しても、同条の刑を科する。
附 則 抄
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行し、第三条(第四条第一項の規定により支援金の支給に関する事務の委託があった場合を含む。)の規定は、この法律の施行の日の属する年度の翌年度以降の年度において、都道府県の基金に対する資金の拠出があった日として内閣総理大臣が告示する日以後に生じた自然災害により被災世帯となった世帯について適用する。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日
附 則 (平成一六年三月三一日法律第一三号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(支援金の支給に関する経過措置)
第二条 改正後の被災者生活再建支援法(以下「新法」という。)第三条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に生じた自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主に対する支援金の支給について適用し、施行日前に生じた自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主に対する支援金の支給については、なお従前の例による。
第三条 前条の規定にかかわらず、施行日前に生じた自然災害により被災世帯となった世帯のうち、施行日前に災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第六十条第一項の規定により避難のための立退きの指示を受けた者であって、施行日以後に、当該指示に係る地域(施行日以後に同条第四項の規定により避難の必要のなくなった旨の公示があった地域に限る。以下この条において同じ。)において自立した生活を開始する者又は当該指示に係る地域において自立した生活を開始することが著しく困難であることが明らかになったことにより当該地域以外の地域において自立した生活を開始する者に係る世帯の世帯主に対する支援金の支給については、新法第三条の規定を適用する。この場合においては、同条第一号中「三百万円」とあるのは「三百万円から被災者生活再建支援法の一部を改正する法律(平成十六年法律第十三号)の施行前に支給された支援金の額を減じた額」と、同条第二号中「百五十万円」とあるのは「百五十万円から被災者生活再建支援法の一部を改正する法律の施行前に支給された支援金の額を減じた額」とする。
(被災者生活再建支援基金に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に改正前の被災者生活再建支援法第六条第一項の規定による指定を受けている被災者生活再建支援基金は、新法第六条第一項の規定による指定を受けた被災者生活再建支援法人とみなす。
附 則 (平成一八年六月二日法律第五〇号) 抄
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附 則 (平成一九年一一月一六日法律第一一四号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(支援金の支給に関する経過措置)
第二条 この法律による改正後の被災者生活再建支援法(次条において「新法」という。)第三条第一項の規定は、この法律の公布の日(以下「公布日」という。)以後に生じた自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主に対する支援金の支給について適用し、公布日前に生じた自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主に対する支援金の支給については、なお従前の例による。
第三条 前条の規定にかかわらず、平成十九年能登半島地震による自然災害、平成十九年新潟県中越沖地震による自然災害、平成十九年台風第十一号及び前線による自然災害又は平成十九年台風第十二号による自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主が公布日以後に申請を行った場合における支援金の支給については、新法第三条第一項の規定を適用する。この場合において、この法律による改正前の被災者生活再建支援法第三条の規定により、当該世帯主に対し、同一の自然災害について既に支援金が支給されているときは、同項の規定に基づき支給される支援金の額は、新法第三条第二項から第五項までの規定による支援金の額から、当該既に支給された支援金の額を減じた額とする。
附 則 (平成二三年六月二四日法律第七四号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附 則 (平成二三年八月三〇日法律第一〇〇号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(被災者生活再建支援法の一部改正に伴う経過措置)
3 第二条の規定による改正後の被災者生活再建支援法第二十条の二の規定は、平成二十三年三月十一日以後に生じた自然災害により被災世帯となった世帯の世帯主に対して支給する被災者生活再建支援金について適用する。ただし、この法律による改正前の規定により生じた効力を妨げない。
(検討)
4 地方公共団体が自然災害に際して行う金銭の給付であって、災害弔慰金若しくは災害障害見舞金又は被災者生活再建支援金に類するものに係る差押えの禁止等については、速やかに検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
5 国又は地方公共団体が、災害等に際して危険を顧みることなく職務を遂行したことにより死亡し、又は障害の状態となった者について行う金銭の給付に係る差押えの禁止等については、速やかに検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

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